知らない心 ページ43
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シャオロンさんに手首を握られたまま廊下を進む。いつもは私のペースに合わせて歩いてくれるのだが、今はそんなのお構い無しにずんずん歩を進めるので小走りでついて行く。
｢...っは......ぁ｣
治りきっていない足首を庇いながら足を動かしたので直ぐに息があがってしまう。その間もシャオロンさんは無言で階段を上り、ある部屋の前で立ち止まった。私の方を振り返るといつか見たような無表情で口を開く。
｢入って｣
有無を言わせぬその声に少しの恐怖を抱いた。開かれた扉の中へ足を踏み入れると誰かの個室のようだと気付く。シャオロンさんの部屋だろうかと思っていると後ろからばたん、と扉の閉まる音が響き、後ろのシャオロンさんの方を振り返るとその表情を確認する間もなく彼の胸元が眼前に広がる。腰と頭に手を回されぎゅ、と抱き締められた。
｢.......はぁ〜〜〜〜〜｣
耳元で低く息が吐かれる。少し暖かい吐息が直接かかりぞわ、とした。ぐ、と頭を胸元に押し付けられ息がしづらい。
｢ぁ、の...｣
｢.........｣
シャオロンさんは今どんな
どれ程そうしていたのだろうか、あまりに長くシャオロンさんに包まれていると、薄らと聞こえる彼の鼓動が段々と心地よくなってくる。
｢ん......A｣
｢......はい｣
シャオロンさんが少し身を捩り、私の首元に顔を埋めた。
｢.........分からへんわ｣
｢.........｣
｢A、すき、なはずなんやけど｣
途切れ途切れに言葉を紡ぐシャオロンさん。
｢ゾムとか、オスマンとか、他の奴とおるお前は......嫌いやねん。もちろん彼奴らもムカつくけど、お前にいっちゃんムカつく｣
｢.........ごめ、なさ｣
｢でもこーやって、おれの中にいるAはほんまに可愛くてすきですきでたまらんくて、Aの目の中にずっとおれを映しとって欲しい｣
耳に直接入ってくる心地好い声が鼓膜を震わす。
｢な、おれめっちゃ苦しい。どうしたらええん｣
｢......ぇ、と｣
そんなこと、わたしも分からない。わたしだってここに来てから初めてのことばかりで、ついこの間同じことをしんぺいさんに聞いたばかりだ。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
