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いつもならくっつくように私に付いてくるシャオロンさんは今だけは後ろで見守っている。
オスマンさんの動作の一つ一つが絵に描いたように丁寧で、またしても見蕩れてしまった。
｢ここら辺が特にお気に入りなんよ｣
そう言われてはっとする。オスマンさんの視線を辿ると、深い赤色の薔薇が美しく咲き誇っている。
深緑の葉を流れ落ちる水滴がオスマンさんの細い指先に乗った。ペろ、とそれを舐めた彼は艶めかしく、絵画を超えて神様のように思えた。ここにいる人たちは綺麗な人が多すぎる。
｢……綺麗、です｣
｢せやろ、この赤色もAちゃんによう映えるはずやで｣
何に対して綺麗、と言ったのかは私にも分からなかった。ただそう言ったとき、確かに私は彼に目を奪われていた気がする。
｢……ロゼット咲き、ですよね｣
｢うん、よお知っとるね｣
｢昔、図鑑で見ました。これは……マタドールですか｣
｢せやで。この絶妙な色が可愛いめぅ｣
中心の明るい色から外側にいくにつれて暗い赤に近付く花弁を持つ薔薇をオスマンさんが撫ぜた。
｢こっちは、カップ咲きですか｣
｢半分正解やな。今はそうやけどもう少し開くとロゼット咲きになる｣
深紅の華やかな薔薇を見て尋ねる。
｢……これは、なんていう薔薇ですか？｣
｢………気になる？｣
少し愉しそうに笑ったオスマンさん。
｢……少しだけ、気になります｣
｢…そか、これはザ・プリンスって言うんよ。カップ咲きはあっちのレッドダイヤモンドやな。あ、ちょっとこっち行こや｣
そう言って再び私の手を取って煉瓦の敷かれた道を進む。少し歩くと丁度二人ほどが並んでくぐることの出来そうな、真っ赤な蔓薔薇と深緑に覆われたアーチがあった。
｢これ、可愛ええやろ。この蔓薔薇はフロレンティーナって言うんやで｣
そのアーチの下で止まったオスマンさんを見ると、彼の瞳も私を捉えていた。
｢ここにおると慣れへんこととか不安なことあると思うけど、そーゆーときは俺に頼ってほしいめぅ。むさ苦しい男ばっかでごめんなぁ｣
｢ぇ……ぁ、ありがとう、ございます｣
私の手を両手で包んで優しく微笑むオスマンさん。聖母のようなその笑みに彼が枢機卿様であるとシャオロンさんが言っていたことを思い出した。
私の手をとったままの彼に再びエスコートされてテーブルの方へ戻ると、純正過ぎる笑みを
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
