陶冶の計らい ページ39
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総統室の扉を軽く叩き、足を踏み入れたオスマンはそのまま無遠慮にソファに座った。それを咎めることのないグルッペンは少し前に淹れた紅茶をカップに注ぎ差し出した。
｢どうしたオスマン先生｣
｢ん〜折好くええもん拾ったなって｣
｢.....俺と同じことを考えている可能性がある｣
｢やっぱせやんな。あれは化けるめぅ｣
｢俺の懐刀が見つかったな。世紀末には悪魔主義が流行し愚昧な人間は容易に地に堕ちる｣
｢天使は悪魔になり得へんけど悪魔は天使の皮を被れるし｣
｢つまり悪は善を越える。残存する愚かな社会構造をとことん利用してやろうじゃないか｣
気高く麗しい哲人と軽妙で妖美な傀儡師は今日も言外に対話する。
｢やるなら俺やオスマン先生、エミさん辺りが妥当か｣
｢あの子の話聞いとる感じ学習能力は高いっぽいで｣
｢上々だ。めんどい所はエミさんに押し付けようぜ｣
｢心理学絡めた話術は俺やな｣
｢あと大先生あたりが何処まで教えるかやな｣
｢逆にあの子に心酔してもおかしないで。既に危うい奴らもおるし｣
｢はぇー恐ろしいですわ｣
総統室のソファに腰掛けるオスマンは紅茶を口に含んだ。少女の無垢故の危うさを憂慮する。
｢ま、お互い様やな。その前にこっちに傾倒させればいいめぅ｣
｢オスマン先生つえ〜｣
｢可愛い子の手綱は繋いどきたい
｢分かるが、オレは放し飼いで狼狽えてる所を鑑賞したい派ダナ｣
｢生きてる女に興味なかったんちゃうの？｣
｢女はな。ペットは別だろ｣
｢手駒の間違えちゃう｣
｢そうとも言うが｣
ふぁあ、と目を細めて欠伸を零したオスマンは机上のチェスの駒を一つ倒した。
｢そう言えばそろそろ教皇庁出向かなあかんわ。アヴィニョンのヤツらもそろそろ潰したいめぅ｣
｢f王国の権威伸張は目障りだからな｣
｢もう暫くあの耄碌爺さんにも生きてもらわんと｣
｢ハハハハ！流石天下の枢機卿様は業が深いな｣
大声で笑ったグルッペンは
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陶冶【とうや】
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
