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｢ぅ......ん...｣
重たい意識をゆっくりと起こしていく。開かれたカーテンの奥にしんぺいさんの姿を捉えると眠りに落ちた直前の記憶が、ぼんやりと思い出される。しかし一体何処まで話したのか、その記憶は曖昧だった。
ふと、横に目をやると私の手を握り、ベッドに上体を預けて眠っているシャオロンさんがいた。横の机にはご飯の乗ったお盆が置いてあり、持ってきてくれたのだと察する。
私の記憶の中の彼は意図の読めない行動が多く、少し緊張したが心地良さそうに寝息を立てているシャオロンさんは同い年の少年のように思え、その緊張もほぐれた。
ふわふわした茶色の髪が気持ち良さそうで思わず手を伸ばして撫でようとする。しかしその髪に触れる直前、パシ、と伸ばした手首が捉えられた。
｢....っごめんAか......｣
手首を掴んだのは今の今まで眠っていたシャオロンさんで、一瞬鋭く眼光を飛ばしたが私だとわかるとへにゃ、と寝起きの顔に戻った。しかし私が肩を震わせていたのに気付くと泣きそうな顔で口を開いた。
｢すまんなぁ。昔から人に触られるんに敏感やねん......どないしょ、A怖がらせてもうた｣
｢い、いえ。驚いただけなので｣
大丈夫です、そう言うとほんま？良かったぁ、と私の手に頬を寄せ、すりすりとして頬を緩ませた。犬のように分かりやすい表情の変化に、少し安心した。寝起きだったからか、今までのような読めない笑顔ではない、普通の笑顔のシャオロンさんに私も頬が緩んだ。
｢ぁ......｣
｢......？｣
小さく声を漏らしてその大きな目をまんまると見開いたシャオロンさんに首を傾げる。
｢.....ぇ...かわえ｣
｢へ、｣
｢やば、A、めっちゃかわえ、な、すき。おれめっちゃAすき、かわえ｣
へにゃ、と顔を崩してわたしの頬に手を伸ばすシャオロンさんの瞳は少しだけ濁っているような気がした。
それに気を取られていると、いつの間にか距離を詰めたシャオロンさんに手首を押され、気付けば視界には医務室の天井と上体だけをベッドに乗り出したシャオロンさんだけが映っている。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
