狐に摘まれる ページ35
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ベッドに身を預け、眠り姫のように意識を落とした少女を一瞥し、椅子から立ち上がると男はベッドを囲むカーテンを開け、医務室のソファに腰掛ける男に声を掛けた。
｢ほんまはこーゆーのこそ聖職者様の出番やないの？｣
｢うーん別に今のは懺悔とちゃうし。警戒心強いからまだ俺やと素直になってくれへんやん｣
｢ああそう｣
アシンメトリーの髪を揺らした男はそのまま不機嫌そうに顔を顰め、言葉を続けた。
｢でもキスしろとは言ってないめぅ｣
｢あ〜バレた？｣
｢隠すつもりなかったやろ｣
｢そうだけど。ほら、あんまり可愛く見つめてくるもんやから｣
｢......ペ神でそれやとほんま危ないな｣
｢で、聞きたいことは聞けたん？｣
｢お陰様で｣
この城に来て、初めて年相応の未熟さを見せた少女は、自身に与えられた少量の酒精などつゆ知らず深く眠り込んでいる。
｢潔白やな。諜報員とかやなくて良かっためぅ｣
｢そらなぁ、随分幼いであの子｣
｢聞いとったら分かるわ。赤子同然やん｣
二人の男はカーテンの隙間から覗くあどけない少女の寝顔を見てそう話す。
｢無意識に賢くなろうとしたんやろな、いくら虐げられても両親には愛されたいもんやで普通。あの様子じゃその気持ちに気付いてへんみたいやったけど｣
｢気付かせん方がええやろ。シッマみたいに拗らせると扱いづらいし｣
｢あの子の為にもそれが一番やな｣
｢んじゃ、軽く調書作ってロボロんとこ持ってくめぅ〜｣
そう言ってひらひらと手を振って出て行った男はその背中を見送った男でさえ読めない表情と空気を漂わせている。
｢ほんま何考えとんのやろなぁ、あの枢機卿様は｣
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
