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｢.........私は、父親と婚姻関係にない女性との間に産まれました。外面は信心深い基督教徒の父親なので不貞を働いたことを隠す為、私を受洗させませんでした。
実母の容姿は知りませんが、少なくとも周囲に存在しない私の髪と瞳の色は両親に忌み嫌われ、魔女ではないかと彼らが話しているのを聞きました。
私がその家の子供であることは両親にとって不都合であり、外に出たことは数回程しかありませんでした。その数回の中でも、私を視界に入れた人々は敬遠するような、或いは蔑むような目で私と、両親を見ていたので、それ以降の外出は許されなくなりました。
それからは家で変化のない生活を送っていました。選択肢が与えられなかったので彼らの言う通りに生きていました。
父親は私に書架に立ち入ることを許可してくれました。他の何もすることが許されなかったので、読書が好きというわけでもありませんでしたがただひたすらに本を読んでいました。
.........一度だけ、わたしが神学の本を読んでいたことがありました。それに気付いた父親は何かに取り憑かれたように憤慨し、本を取り上げ、わたしを叩きました。
すごくいたかった。異端者とよばれました。なにも知らないのに。この家に災いをもたらすな、と怒鳴った彼は私に何をみていたのでしょうか。
貴方がいうから、わたしはなにもしていなかったのに｣
ぽた、とコップを持つ手に水が落ちた。気づくと大粒の涙が目から零れ落ちていた。滲む視界の中で、その雫がまだ少し残っているマグカップの中へ落ちていくのを見ていた。
どうして涙が出ているのか分からない。もしかしたら初めてかもしれない。人の泣き顔は、見たことがあるがそれらは総じて歪んでいた。でも私はぴくりとも表情が動いていない。なのにどうして水が目から溢れるのか、不思議で仕方なかった。
その疑問をどうにかしたくて、しんぺいさんをみた。彼はいつの間にか雑面を取っていて、明らかになったその美しい顔は静かに笑っていた。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
