惨憺たる少女 ページ4
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｢最近言われとんのここら辺やろ？何もないやんけ｣
｢このまま酒場寄ったあかん？｣
｢とんちにキレられて終わりやで。それにここらの酒あんま美味ないねん｣
住民から報告のあった不良集団を取り締まるため、深夜にもなって巡回に駆り出された二人の軍人は城への帰路を辿る。
一人は紫煙を吐き出しながら死んだ目で愚痴を零し、もう一人は対照的に生き生きとシャベルを振り回している。
｢......え？｣
｢どしたんシャオちゃん｣
｢......なんやこの匂い。血ぃか何かか？｣
ニット帽を被り、黄色のオーバーオールに身を包んだ男はすんすんと匂いの元を探る。眼鏡を掛けた男は待ってしゃおちゃん、と情けない声を出してフラフラとその男の後を追う。
｢あ？そこなんかおんのやけど｣
薄暗がりの中、倒れ込んだ人影を発見した男は警戒しながら近付く。
｢......女やん。なんやこのひっどい有様｣
｢女？｣
分かりやすく顔を歪ませた男。その後ろから顔を出した眼鏡の男もその人影を捉え、その惨状に息を呑んだ。
衣服を剥がされた身体の至る所に血が付着し、鈍い色をした痣を持つ少女。何よりその顔や腹にこびり付く白濁。そして股下へ出たであろうものとそこに滲む血。
言わずと知れた惨状に顔を顰める。
｢.........クソやな｣
ニット帽の男がボソリと呟く。
｢胸糞悪ぅ｣
そう言って再び煙草を口にくわえた男は踵を返してその場を後にしようとした。
｢は？お前ほっとくつもりなん？｣
｢当たり前やろ。その手の女は総じて面倒な奴って相場が決まっとんねん｣
｢......お前ほんま屑やな｣
二人の男がそんな会話をしていると、少女がケホ、と一つ息を吐いた。そちらを見遣ると少女の口元からまた一つ新しく血液が垂れていた。
｢ほらまだ生きとーやん｣
ニット帽の男はそう言って少女のすぐ傍で屈み、様子を確認する。
前髪を少し退け、顔を見た男はゴクリと喉を鳴らした。傷はあるものの、赤い血が映える白い肌に小さな唇。伏せられた瞼から伸びる長い睫毛。
幸薄そうなその少女は絵に書いたような可愛らしい顔をしていた。
｢......ハハ、可哀想になぁ｣
こんな汚い世に生まれて。
男は蜂蜜の色をした目を細めて少女の頬を撫ぜた。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
