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｢人間の理性はとうに信仰を超えている。教皇権威の失墜、形骸化。聖職者や教会の腐敗。叫ばれるべき改革の声は愚鈍な老害に潰される。盲信から離れられない民衆ははっきり言って脳が足りていない｣
総統閣下の言葉に思わず目を見張る。この国も基督教を国教としており、民衆の管理も教会を通しているはずだ。
｢ッハハハ、驚くのも無理はない。我々も基督教を利用している身だからな。だがこの荒んだ世ではまだ少数勢力は潰される。何奴も此奴も保身が大好きだからな｣
そう話す総統閣下の言葉の節々に、どこか突飛な、それでいて理性的な思想が滲んでいる。
｢新しい時代を統治する上で君主に必要なのは獅子の如き強さと狐の如き狡猾さだ。その前提となるのが俯瞰する能力と論理的思考能力。お前はその両者を保持しているようだぞ。喜べ｣
雄弁に語る総統閣下は楽しそうに笑う。その言葉に恐る恐る頭を下げる。
｢よし。お前ら、俺は満足したから部屋に戻る。あとは好きにしろ｣
そう言うと立ち上がり、あっという間に会議室から出ていった総統閣下に、拍子抜けした。
｢はぁ...！？ちょ、アイツ......！！｣
苛立たしげに立ち上がった赤いマフラーを首に巻いた人は諦めた様に溜め息を零した。近くの席に座っていたシャオロンさんが私に駆け寄る。
｢おつかれさん！グルッペンもお気に召したようやで｣
｢....それは、良かったです｣
分かりにくかったが、どうやらお気に召されていた様で安堵した。あの威厳に満ちた瞳が不機嫌に歪む姿など想像しただけで鳥肌が立つ。
｢あー、盛り上がっとるところ悪いけど、俺らは君の処遇についてまだまだ話さなあかんねん。とりあえずその席座ってくれるか｣
赤いマフラーの人がそう言って総統閣下の対面の席を指す。言う通りにすると、シャオロンさんは椅子を私の左隣にくっつけ、肩が触れ合う距離で座った。
その様子を見て赤いマフラーの彼はまた溜め息をついたが、渋々といった様子で口を開く。
｢ったくあの五歳児肝心なこと何も話さんと出ていきやがって......｣
どうやら未だに総統閣下への文句が止まらない様で眉間に皺を寄せている。
そんな彼を見ていたら左手が絡め取られた。驚いて左を向くとシャオロンさんが小さい声でAの手ってこんな小さいんやなぁ、と呟いていた。
｢やわこ......｣
ニギニギと感覚を楽しんでいる彼は特に私の返事を求めてはいないようなので、気に留めないようにした。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
