蜂蜜の歪み ページ18
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｢立てそう？｣
そう尋ねるしんぺいさんにはい、と答えたはいいものの、いざベッドの下に脚を下ろし、シャオロンさんの手を取って立とうとすると捻挫していたらしい足首に痛みが走る。
激しい痛みによろけるとシャオロンさんが私の手を引っ張り、彼の胸元に飛び込む形になる。
｢っ......ごめんなさい｣
｢んふふ、Aは大胆やなぁ｣
｢シャオちゃんが引っ張ったからやろ｣
痛みに顔を歪めていると鬱さんが私とシャオロンさんを引き剥がす。
｢歩けへんのやったら僕が姫抱きしたろか｣
私の腰に手を回してそう言った鬱さんに何と答えようか思案していると、シャオロンさんがその提案を却下した。
｢ええよ大先生。なぁ？A、歩けるやんな？｣
ニコニコとこちらを見つめるシャオロンさん。同意を求めるその声に逆らうことが出来ずいつの間にか私ははい、と答えていた。
｢うわぁえぐいなお前｣
｢お前.......捻挫してるんやから程々にしたれよ｣
鬱さんとしんぺいさんが口々にそう言う。シャオロンさんは満足そうにしていた。
シャオロンさんに手を引かれ、医務室を出て廊下を歩く。所々に装飾の施された華やかな廊下だが、歩く度に足首が悲鳴を上げており、それどころでは無い。
｢......っいﾞ...｣
歩調こそ合わせてくれるものの、私が顔を歪める度、シャオロンさんの瞳は鈍く細められる。
｢しゃおちゃんほんまええ性格しとるわ｣
｢お前に言われた無いわ屑｣
｢しんらちゅ......｣
｢あ、せやA。大先生いい人ぶっとるけど昨日の夜Aのこと面倒臭いゆーてそのまま帰ろうとしたんコイツやで｣
｢ちょ、ちゃうやん。面倒臭いんはヒス起こす女だけやって！Aちゃんのことは好きやで僕！｣
そんな会話が聞こえてくるが生憎内容は入ってこない。ただひたすらに早く会議室とやらに着くことだけを願っている。足首が鈍く痛み、冷や汗がこめかみを伝う感覚。
その様子をシャオロンさんが欲を孕んだ瞳で見ているなんて、気付くことはなかった。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
