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やめて、という間もなく顔が近づき、唇が奪われる。私の唇を啄むようなそのキスは優しく、恋人がする愛を確かめるようなものに思えたが、生憎ショッピさんは出会って間もない。
その訳の分からない矛盾に頭がついていかない。
目を開けてアメジストの瞳を見ると、どろりと溶けた虹彩に充てられ思考が溶けてゆく。
｢っふ......｣
少しショッピさんが笑ったと思ったら唇の隙間から舌がねじ込まれる。得体の知れない感覚にピク、と肩を揺らすが溶けた思考では口を閉じるという選択肢はなく、ただ彼の弄ぶままに舌が蹂躙される。
｢...ぁ......ふ、...んぁ｣
｢......っは...｣
ショッピさんの吐息が脳に響く。その瞳から目が離せない。彼も視線を外すことはなく、じっとりと視線を搦めてくる。だんだん酸素が回らなくなり、既に溶けた思考が薄れていく。身体を支えていた腕の力が抜け、ベッドに倒れ込むとショッピさんは漸く唇を離した。
｢っはは、目ぇ開けながらキスとか.....えっちっすね｣
そのまま私に覆いかぶさったショッピさんは私の手首をベッドに押さえつける。
先程まであったはずの腹部の痛みはすっかり忘れていた。
｢アンタ、自分が今どんな顔してるか分かってます？｣
そう尋ねたショッピさんは、恍惚とした表情を浮かべていた。それに答えることが出来ずにいると、ショッピさんはわたしの耳元に口を寄せて低く告げた。
｢.....誘ってるようにしか見えへんよ｣
｢っ......ちが｣
｢はぁ、ほんま可愛ええ。襲われてもしゃあないで｣
すぅ、と瞳を細めたショッピさんはゆっくりと私の手首から手を離し、ベッドから降りる。
｢なんや惚けた面して。本気で襲われるって思ったんすか？｣
少し前に床に落ちた煙草を拾ってショッピさんは笑った。今の一連の流れに完全に置いていかれた私はなんと答えることも出来ず、肩を強ばらせる。
｢ふ、流石に今日はやらへんわ。したいんやったら身体治してからやな｣
そう言って私にでこぴんをお見舞した彼はほなまた、と言って医務室を後にした。
終始彼のペースに呑まれていた私は返事をすることも無く彼の背を見ていた。
未だに纏まらない思考を働かせ、今しがた起こった出来事もシャオロンさんが言っていたように色々溜まっていたのかもしれない、と結論づけた。
アメジストの奥に隠された欲には気付きたくなかった。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
