爪繰るアメジスト ページ14
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｢大先生そろそろ飯行かんでええんすか｣
｢あ〜せや。もうそんな時間か。名残惜しいけど、またなAちゃん｣
そう言った鬱さんは、丁度こちらに来たしんぺいさんと共に医務室を出ようとする。
｢あ、Aちゃん。俺が帰ったら昨日の話聞かせてもらうで｣
去り際にそう言ったしんぺいさんに頷く。
｢ショッピさんは行かないのですか？｣
｢あー、そっすね。朝は喉通らんので適当に済ませてます｣
先程まで鬱さんが座っていた椅子にショッピさんが腰掛ける。懐から紙箱を取り出すと流れるように煙草に火をつけ紫煙を燻らす。
その動作が艶やかで、つい見蕩れた。
｢っふ、気になる？｣
くす、と笑ったショッピさんは先程と雰囲気がガラッと変わった気がした。
｢ぁ...いえ、煙草、あまり見たことが無かったので｣
すみません、と呟けばまた笑われる。
｢減るもんちゃうし好きなだけどうぞ｣
揶揄う様な表情をしている彼は私の顔に向けて煙を吐き出す。煙たくて思わず咳き込むと満足そうにアメジストの瞳が歪められる。
｢A、真っ白やな｣
真っ白。それが何を指しているのか分からなかった。
嫌われ者の象徴である濡羽色の髪、銀灰色の瞳は決して白色にはなり得ない。
彼のアメジストは私を見ているようで、その実私の奥に潜む何かを見透かしている気がした。
｢アンタ、れいぷされたんでしょ｣
遠慮も何も無く言ったショッピさん。どこか他人事のようにその言葉を聞いていた。普通はそんなに愉しそうに言うものじゃないですよ、と言ってやりたいところだがどうしてか口が開かない。
｢やのに平気で男と二人きりの状況を許すとか、貞操観念緩すぎやろ｣
ハッ、と鼻で笑って彼はベッドに身を乗り出す。え、と驚いているとそのまま私に跨り、馬乗りの状態になる。私の肩に手が置かれ、起こしていた上体が倒れそうになる。
一度ベッドに倒れてしまえば、完全にショッピさんに呑まれてしまいそうだ。そんなことを思っていると彼は私の腹部に体重をかける。何度も殴られたそこには痣が広がっているというのに。
｢っいﾞ......た｣
｢ふふ、いたい？｣
抵抗しようにも右腕は使いものにならず、身体を支える左腕の力を弛めることは出来ない。
至近距離にある顔を見ることが出来ず、目を逸らす。しかしそんな些細な抵抗が許されず、ショッピさんに顎を掴まれるといとも簡単に視線が絡む。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
