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｢右利きなんやね。言ってくれたら食べさせたるのに｣
そう言って私の手からスプーンを取り、私に代わってスープを口元に運んでくれる。赤子でも無いのだから、ぎこちなくても自分で食事は摂りたい。
｢お気遣いは有難いのですが、その......自分で、食べられます｣
｢ええから。ほら口開けてや｣
有無を言わせない口調で言われ、仕方なく口を開く。ベッド横の椅子に座って小さな子供に食べさせるように、ふー、と冷まして丁寧に運んでくれる彼に気恥しい思いをする。更に隣にはその様子を無表情でじっと見ているショッピさんが立っているので無性に恥ずかしい。
｢次サラダ食べよか｣
そう言って私が口を挟む間もなく懇切丁寧に食べさせてくれる鬱さんは愉しそうだ。それが暫く続き、朝食を全て取り終えると全部食べれて偉いやん、と褒められた。
パンを食べるとき、時折鬱さんの細長い指まで口の中に入り、申し訳なく思っていると最後に彼はあろうことか私の唾液の付いたその指をそのまま舐めとってしまうものだからますます恥ずかしく感じた。
｢......ええな｣
ぼそ、と呟いたショッピさんの瞳を覗くと彼はこちらを見ていたようでニコ、と微笑まれてしまった。初めて見た彼の表情は何処か慈しむようなものでこそばゆい。
｢ご馳走様でした。どれも美味しかったです｣
シェフの方にお伝えください、そう伝えると鬱さんにええ子やなぁ、と再び褒められた。悪い気はしないのだけど、こんな些細なことで毎度褒められてしまっては居心地が悪い。
｢そう気ぃ張らんでもええよ。女の子はちょっと我儘なくらいがええんやで？｣
｢この人女癖酷いんで気ぃつけた方がええですよ｣
｢ちょ、それ今言わんでもええやん｣
その二人のやり取りが少し面白くて笑ってしまう。すると二人は話すのをやめて私を見た。失礼にあたっただったろうか。
｢すみません。笑ってしまって｣
慌てて謝罪すると今度は二人が笑った。
｢いやなんで謝っとん自分｣
｢笑った顔もかわええなぁ｣
ニヘラ、と笑った鬱さんの両手で頬を包まれる。すりすりと撫でられ、されるがままになっているとショッピさんから静止の声がかかる。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
