紫煙に腕押し ページ12
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暫くするとガラ、と医務室の扉が音を立てた。そちらを見遣ると二人の男性が部屋に入ってくる。眼鏡をかけた人は朝食を持ってきてくれたようだ。
｢しんぺいさんその子の飯持ってきたで〜｣
ヘラ、と笑った眼鏡の男性は奥のしんぺいさんにそう告げると、私のベッドの方に歩いてきた。紫のヘルメットを被ったもう一人の男性もその後に続く。
｢おはようさん。よぉ眠れた？｣
そう笑いかけながらベッドに備え付けられている簡易テーブルを準備し、朝食を置いてくれる。その細長い指に挟まれた煙草からは煙が揺蕩っている。
｢ぁ......はい、眠れました。Aと申します。お名前を、お伺いしても宜しいでしょうか｣
医務室に気軽に入ってきた彼等は恐らくシャオロンさんと同じ幹部位なのだろう。
｢ん、僕は鬱言います。気軽にうつくんとでも呼んでや｣
ヘラヘラと表情を崩すことなく告げる鬱さん。この国の幹部の方々は表情が読めない方が多いらしい。
｢......どうもショッピです｣
一言だけ発した彼も、無表情でこちらを見ていた。
｢なんや女の子って言うから期待して来たんすけど第二次性徴終えてるやないですか｣
｢誰も女児とは言ってへんでしょっぴくん。こんくらいが危ういねん｣
私の頭上で交わされるその会話に少しだけ身を竦めて彼等を見る。
｢ふーん。まぁ顔はええみたいっすね｣
｢せやろ。なぁAちゃん。昨日シャオロンと一緒に君のこと連れて来たん僕やで｣
感謝してくれてもええんやで、と言わんばかりの表情でこちらを見る。
｢有難う御座います。お陰様で命拾いしました｣
そう言うと鬱さんは満足気に笑った。
二人の吟味するような視線に戸惑いながら朝食に手を付ける。温かそうなスープとパン、サラダという模範的な朝食を見て忘れていた食欲が湧いてくる。
右腕が使えないので、左手を駆使してスープを口に運んでいるとそのぎこちない様子が面白かったのだろうか、鬱さんがふ、と息を漏らした。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
