弱り目に祟り目 ページ2
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｢......動かない｣
路地裏で倒れるように座り込んだ少女は誰にともなく呟いた。
思い出されるのは両親の罵倒。彼らの言う通りに生きてきただけだった少女への理不尽な扱いは彼等が愚かであることの証明に過ぎなかった。
ただ事実を指摘しただけで彼らは逆上して感情に任せ少女に手をあげた。こめかみを殴られ、腹部を幾度も蹴られ、尽きることの無い罵詈雑言を浴びせられ、挙げ句家の外に投げ飛ばされた。
悪魔のような彼等から開放されたけれど、少女の行く先は何処にもないし、それ以上に今は悲鳴を上げ続けている身体にしか意識は向かない。
それでも人情の欠片もないこの街の好奇の目に晒されるのは癪で、震える身体に鞭を打ち、人気のない道を目指した。
夜も更け始めた寒空の下、辿り着いたのは路地裏で、暗がりの中どうしようもない無力感に襲われる。今は誰にも会いたくない。何も考えたくない。
しかしそんな思いも
逆光で人相は伺えないが、その殆どが体格の良い男性であることが分かる。ふと、近隣の住民が近頃素行の悪い若者がこの辺りを屯していると噂していたのを思い出した。
あぁ、最悪だ。
少女は心の中で呟き、これから起こり得るであろう惨劇に目を瞑る。
先程から寒さと痛さで震えていた少女の身体が恐怖で震えることはなく、ただこの状況に陥った運を呪った。どうしようも無い。この一言に尽きた。
｢なんやこんなとこで座っとんなよなぁ｣
｢お、何？オンナ？｣
｢かあいそーに。血ぃ出てんじゃん｣
下品な笑い声と共に聞こえる声。諦めて少し顔を上げれば、少女を囲む五人の男が確認された。
｢ん〜、やる？｣
右の方からそんな声が聞こえたかと思えば正面にいた男に顎を掴まれ、無理矢理顔を上げさせられる。
｢い゛っ｣
親に殴られた傷を掠め、思わず声を漏らす。その声に男は嘲笑を漏らし、そのまま壁に投げつけた。
｢いーじゃん。やろ｣
その一言を皮切りに、着ていた服に手が掛けられる。抵抗しようにも両手は別の誰かに抑えられ、少女の弱い力など何の意味もなさないことを改めて認識した。
まあ、人生ってこんなものか。
一人、心の中で呟いた。
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コルネイユ(プロフ) - 塩田さん» 塩田さん初めまして、コメント頂き有難うございます。前作も読んで頂き、その様なお言葉も頂けて作者冥利に尽きます...本当に嬉しく思います🥰塩田さんのような読者の方がいて下さるお陰で頑張ることが出来ています、今後も作品共々宜しくお願い致します...！ (2023年3月14日 19時) (
レス) id: 4edc66b9fe (このIDを非表示/違反報告)
塩田(プロフ) - コルネイユさん、こんばんは。この作品、更新される度にじっくり大切に読むくらい大好きだったので、また公開してくれて凄く嬉しいです😭 これからも頑張ってください…！ (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 9daab44624 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コルネイユ | 作成日時：2023年3月7日 14時
