君を、守るよ。２ (ページ9)

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ー菊池

物心ついた頃にはボールを追いかけて。

ITPとか喘息とか。

色々とハンデはあったはずだけど。

そんな厄介なやつらとも上手に付き合って

小中と全国優勝の常連だったらしい。

そんな彼女の、はじめての挫折。

オペ後の痛みも、鬼のリハビリも。

泣き言1つ言わず黙々と取り組んで。

何故か採血や痛くも痒くもない処置で

大泣きするのは永遠に理解不能だったけど。

じいちゃんばあちゃんばっかの病棟で

そんなばぶは大人気だった。

まぁ、顔も…

かわいーもんな。

《実は…病気が分かった次の日に、髪切って、髪色も戻して…美容院に行く予定だったんです。》

《ようやく、部活に…コートに…戻れる日が決まっていたから。》

Aの部屋に来る前。

ラウンジでばったり会ったAママの言葉。

正直…

柄にもなく、

こんなことある、？って思った。

患者に感情移入するタイプではないし、

仕事は仕事。

割り切っている方だとは思う。

でもさ…

神様って、厳しすぎない？

意地悪とかそんなレベルじゃ、ねーよ…

厳しい部活。

今まで髪色も髪型も制限があったから。

怪我してる間くらい好きにしよーっと！

そんなノリで退院後の休養期間を

ギャルで過ごしていたらしい彼女。

(そういう所は根っからの陽キャ)

《誰にも言わないけどね…きっと、まだ諦めて…ないと思うの。》

《戻りたい。病院治して、絶対戻る。って思ってると思うから。》

《もうしばらく…ギャルだろうけど…(笑)またあの時の、Aが見れる日を、信じてます。》

どんだけさ、おまえって強いのかね。

ただのばぶじゃ、ねーんだもん。

いや、まぁばぶだけど。