君を、守るよ。２

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ー阿部





ファーストタッチで接触した時には、


近づかなくても分かるほどの喘鳴にチアノーゼ。



救急隊につけられていたモニターはけたたましく異常アラームを知らせているし、




顔面紅潮、口唇腫脹、全身発疹、頻回嘔吐。





それはまぁ、最悪な状態で。





こんな状態に立ち会うこと、

それも小児科医として1人で。



なんてはじめてだったからフリーズして。






一緒にファースト取ってくれた救命の櫻井先生に後からめちゃめちゃ叱られたんだ。






迅速な櫻井先生の処置で、

挿管フルコースに至ることもなく

状態は落ち着いて経過観察に一泊入院して

無事退院していったAちゃん。







「せんせー、Aのこと、たすけてくれてありがとう、！」




(ママ«もう蕎麦は勝手に食べません、»)

「もうおそばは、かってにたべません！」




「はい、これあげる〜」





そういってくれた緑のハートの折り紙は、

今でも名札の裏にずっと入っているんだから。







君は、覚えているんだろうか…




いつか、心が落ち着いた時、

聞いてみてもいいのかな。



そして、伝えてみようかな。





「おいしゃさんのせんせーは、スーパーマン！」



ハートの中に書かれたこの言葉が、


ずっと僕の支えだったんだ、と。







これが、


僕と、きみとの、はじめまして。

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