転生したら水銀の呪霊だったんだが

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私たちは校舎を走っていた

マナー違反？知らんわ

「天内は！？」

「この時間は音楽なので音楽室か礼拝堂ですね」

「レーハイドゥ！？」

「音楽教師の都合で変わるんです」

「悟は礼拝堂、黒井さんは音楽室、私と天花は正体不明(アンノウン)3人を」

「承知致しました」

「了解！」

そこまで話すと私たちは2方向に分かれた

夏油はどこの差し金かを気にしているようだが、私は別に気になることがある

……3体

私が見た原作では2体だった

私という異物(イレギュラー)が入ったことで、原作に影響が生じている？

パリィン

私の思考を止めたのはガラスが割れる音だった

ドガッ

「……！？」

「天花！」

私は蹴り飛ばされ、校舎の外へと飛ばされる

起き上がった私の目の前には剣を持つ男がいた

こいつが私が生んだバグか

バグは、消さないと

「2人で来られると面倒だからな。分けさせてもらった」

男はそう言うと、スウッと姿を消した

「消えっ」

私がそう呟いた瞬間、私の左腕は切り取られていた

別に、切り取られるのはそれほど大した問題では無い

問題なのはその後だ

「……再生できない」

本来なら一瞬で生える腕が今は全然生えない

あの剣のせいか……！

おそらくあの剣は斬ったものを腐敗させる効果がある

再生に時間がかかるのはそのせいだ

男の術式は「透明化」ってとこか

呪力の消費による自身の透明化と物への透明化の付与

「ッチ、面倒だな」

思わず舌打ちをしてしまう

水銀で義手を作ろうにも私、仕組み知らないし……！

……あっでも、この方法を使えば行けるかも

私は地面に液体の水銀を大量に流した

「(ヤケクソか……？)もらった！」

男は疑問符を浮かべながらも、天花の後ろに回り込み剣を振り上げる

勝利を確信したその時、天花は後ろを振り向いた

「なっ」

男は急いで後ろに跳ぶ

「マグレか……？次はそうは行くか！」

男はまた斬り掛かる

天花はそれも躱した

「(……読まれている！？)」

男はそこで気づいた

自分の足跡が全て水銀で見えていることに

「姿は消せても存在を消せる訳では無い。場所が分かればこっちのもんよ」

男に水銀がまとわりつく

「くそっ、離れろっ！」

「無理だよ。水銀は金属。破ることは出来ない。アンタの敗因は、自分の力を過信しすぎたことだ」

男の視界が塞がれてゆく

「ま、とりあえず寝ときなよ」

ギュッ

「がっ」

男は首を絞められて、気絶した

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