賢者の石-What is Love? (ページ9)

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新入生が入場し、組分けが進む。

皆の所属寮は、私と記憶していたものと全て同じだった。

ハーマイオニーがグリフィンドールになることも、ドラコ・マルフォイが一瞬にしてスリザリンに組み分けられることも、ハリー・ポッターに長考することも。

組み分けは滞りなく進んだ。

そしてついに目の前に並んでいたザビニ・ブレーズの組み分けが終わり、私の順番がやってくる。

私には何の資質があるのか、こればかりは全く予想できていなかった。

けれど、目的はただ一つ。

グリフィンドールに入ることだ。

椅子に浅く腰掛け、組み分け帽子を被る。

帽子は一瞬、即座に寮名を叫ぼうとした。

「...いや...待てよ...」

思い直したように悩み始める。帽子の捩れるあまり、頭から落ちてしまうのではないかと思ったほどだ。

『どうしたの？』

帽子に問う。

「うーむ...君の身体に流れる血の一滴一滴が、自分はスリザリンだと言っておる」

それはだめ、と口を開いた瞬間、帽子はこう続けた。

「だかしかし、私の組み分け帽子としての本能が、君をスリザリンに入れてはならぬと言うのだよ」

『それなら、グリフィンドールにしてください』

戸惑ったような様子の帽子に、私は有無を言わさぬ口調で告げた。

帽子は少し驚いたが、それならば、と決心したようだった。

「よろしい...グリフィンドール！！」

私の組み分けは、おそらく最も時間を要しただろう。
それでも無事に、希望通りに儀式を終えることができた。

足取りも軽く立ち上がり、グリフィンドールのテーブルへと向かう。

ハリーもロンも、ハーマイオニーも、私に微笑みかけてくれていた。

テーブルにたどり着く。

ふと振り返ってみると、職員席からスネイプ教授がこちらを見つめていた。

その目は少し意外そうで、それとも無感動なようで____

寮の皆に急かされるように席につくと、それ以上は考える余裕さえなかった。

世界一熾烈な食事の始まりが、ダンブルドアによって告げられたからだ。

クィレル教授もまた私を見つめていたことに、その時の私は気づいていなかった。