賢者の石-What is Love? (ページ8)

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朝というには少し遅い夏の終わり。

ここ数日何度もシミュレーションしてきた、入学式の朝がやってきた。

新入生たちとの合流のため、部屋を出た私は大広間横の小部屋に向かった。

記憶が正しければ、新入生はここに集まるはずだ。

部屋に辿り着く頃には、大広間にいる在校生達の騒がしさが耳に届いた。

船着場からも声が聞こえてくる。丁度新入生が到着したらしい。

整列して部屋に詰め込まれる一年生たち。

名字のアルファベット順での組み分けになる。私は一番最後に並ぶよう指示されているため、列の最後尾を探した。

ハンナ・アボット、フィネガン・シェーマス、ネビル・ロングボトム、沢山の生徒たちとすれ違うように後ろへと歩いていく。

とうとう最後尾の近く、ロン・ウィーズリーの赤毛を見つけた、と思ったその時。

一人の男の子の前を通り過ぎようとした瞬間、その子は小さく声を上げた。

「イタッ」

額をさする男の子。ぶつかってしまったかな、と思いながら、私はその子の顔を覗き込んだ。

『...ハリー・ポッター！』

恥ずかしい話、私は、映画で見たような「生き残った男の子」を初めて見る多くの人々と同じ反応をしてしまったと言える。

ハ「ああ、そうだよ」

ハリーは痛そうにしながら、もう飽きたとでも言うようにぶっきらぼうに答えた。

『ごめんなさい、珍しがるつもりじゃなかったの』

『ただ驚いてしまって...大丈夫？』

ハリーの目を見る。ハリーはまだ傷口が痛むようだったが、それを悟られたくないとでも言うように右手を差し出した。

ハ「いいんだ。君の名前は？」

『私はA。名字はないの』

マグルの孤児院で育ったからね、と付け加えて手を取ると、彼は親近感を持ってくれたようだった。

ハ「君とはいい友達になれそうだ。同じ寮になれるといいな」

そうだね、と微笑む。まだ私を見つめる彼に軽く手を振って、私はまた歩き出した。

第一印象はまずまず、と言ったところだろうか。