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いよいよ試験が始まった。
筆記試験は余裕だった。ハーマイオニーのおかげだ、と私は空を仰いで感謝した。
けれど、実技の方がもっと上手くいった。中でも変身学の試験は最高だった。
私の嗅ぎタバコ入れは繊細な彫刻がほどこされていてとても美しかった。
『先生、この箱持って帰っちゃダメですか？......必要なんです』
マ「それは鼠ですよ。それにあなたにタバコ入れが必要でたまりますか」
マクゴナガル先生は表情ひとつ変えずに言った。私はへらへらと笑い、試験の教室を出た。
魔法薬学も本当に素晴らしかった。
私は自分の「忘れ薬」を瓶に取りながら呟いた。
『私ってなんでもできるんだ...』
ス「私語は百点減点」
『すみません』
最後の試験は魔法史だった。正直、私は今日の夜起こることで頭がいっぱいだった。
とはいえ一時間の試験時間で完璧な答案を書き終え、私は羽ペンを置いた。
試験は終わった。私たちは開放感にあふれていた。
湖畔の木陰に寝転がり、光り輝く夏の空気をいっぱいに浴びた。
ああ、このまま何事もなく学期が終わればいいのに。
私の一抹の希望は一瞬にしてかき消えた。ハリーが勢いよく立ち上がり、ハグリッドのところへいこうと言い出したのだ。
ハ「ダンブルドアのところに行かなくちゃ」
ハグリッドのところを出ると、ハリーは蒼白な顔でそう言った。
私たちはダンブルドア校長を探した。けれど、校長は魔法省に呼ばれて既に発ってしまっていた。事態は私の記憶と何も変わっていないらしい。
ハ「今夜だ」
マクゴナガル先生が声の届かないところまで行ってしまうと、ハリーは呟いた。
ロ「スネイプがやるなら今夜しかないな」
グ「でも私たちに何ができるって......」
「やあ、こんにちは」
私たちは息を飲んだ。スネイプ教授が真後ろに立っていた。
表情を無理やり緩めているように見える。これが精一杯の愛想の良さなのだろうか。
『なかなかに気持ち悪いわね...』
私は思わず呟いた。ハーマイオニーが私の手を叩く。
ス「諸君、こんな日には室内にいるもんじゃない。さあ、行きたまえ」
スネイプ教授は、雑に私たちを追い払おうとした。
仕方なくハリーについて外に出ようとすると、教授が私の首元を掴んで引き戻した。
今の、聞こえてたんだろうか。
ス「今夜、就寝前に薬を取りに来い。必ずだ」
私は目を見開いた。そんなの行けるわけがない。
力を強くして圧力をかける教授に、私は仕方なく頭を揺らして頷いた。
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作者名：コーデリア | 作成日時：2021年12月18日 13時
