賢者の石-What is Love? (ページ19)

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ハーマイオニーの金切り声と私の呪文は、全く同時だった。

私たちの目の前には、あと数センチでその頭を砕くだろう棍棒があった。

私が石化呪文を掛けたトロールは、目を見開いたまま固まっていた。それによって棍棒は持ち主の支えを失い、今度こそ私たちの頭に落下する、はずだった。

「ウィンガーディアム・レヴィオーサ！」

驚いて隣を見る。
ハーマイオニーが、祈るような目で杖を振っている。
震える彼女の、必死の呪文は本当に力強かった。重い棍棒を持ち上げるように浮かせ、トロールの頭上までゆっくりと移動させる。

頭の真上に狙いを定めると、彼女の集中した表情が一瞬にして和らいだ。杖が下ろされる。

力を失った棍棒は、そのままトロールの頭に落下した。倒れるトロール。

その振動はどこまで伝わったろうか、丁度その時勢いよく扉を開いたハリーとロンの足元までもふらつかせた。

ハ「大丈夫！？」

ロ「ハーマイオニーの悲鳴が聞こえたと思ったのに、君たち二人で片付けちゃったっていうのかい？」

二人は唖然とした表情をしている。
得意げに笑った私は、ハーマイオニーの腕を取った。

『私たち、ハリー・ポッターの活躍の機会を一つ奪っちゃったわね？』

ハ「君らはいったいいつの間に仲良くなったんだい？」

ハリーは苦笑いしてこちらを見た。

グ「やっぱり実戦はあなたの方が強いわね！」

親しみの眼差しを向けながら弾けるような笑顔を見せるハーマイオニー。

『自信を持って、焦らないのが重要よ。あなたのは...』

目を開いて口を押さえ、震える手で杖を構えるハーマイオニーの真似をすると、彼女は笑いながら手を挙げ、私を叩こうとした。

するりと避けた私は、そのまま三人にひらひらと手を振る。

『じゃあ、私ちょっと行くところあるから！』

ロ「あの二人って、つくづくわけがわからないよ」

軽やかに走り出した私の背中に、そうぼやくロンの声がとどいた。

直後に到着したマクゴナガル先生によって、四人の勇気を称えて五点ずつの加点、授業に出なかったことで私とハーマイオニーから四十点ずつの減点があったと、私は翌朝ばつの悪そうな顔をしたハーマイオニーから聞くことになる。