賢者の石-What is Love? (ページ12)

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教授によるクイズ大会は続き、やっと答え合わせの時間が始まった。
私は一人、教授の述べる解答を一言一句書き取った。

ペンを置いた瞬間、他の皆が一斉に書き始める音が聞こえた。

「やあ、A」

調合の時間が始まってすぐ、ドラコ・マルフォイに声をかけられた。
喋りながら薬を作れるほど余裕があるの？なんて茶化してやりたいけれど我慢する。

ド「君、出席確認のときどうして苗字を呼ばれなかったんだい？」

『ないからよ』

ドラコが目を丸くした。そして、蔑むような意地の悪い表情になる。

『私はマグルの孤児院で育ったの』

これは言わなくてもよかったかもしれない。

ドラコはますます目を輝かせた。余計な餌を与えてしまった、と私は頭を抱える。

視界の端で、ハーマイオニーがこちらを見ている気がした。

ド「それじゃあ君には両親がいない上に、穢れた___」

ドラコはそれ以上続けることができなかった。
目の前に黒く大きい影が現れたからだ。

「ドラコ」

スネイプ教授は冷たい声で続けた。

ス「我輩の授業ではその言葉を言ってはならない」

教授の声に、空気が凍りついた。
ドラコの細い睫毛が震えているのが分かった。

ド「...すみません」

スネイプ教授はしばらくドラコを見つめた後、ローブを翻して教卓に戻っていった。
皆が一斉に調合作業を始める。

ハ「君、気にしない方がいいよ」

『気にしてないよ』

慰めるハリーの声に、私はにっこりと微笑んだ。

ロ「そういうやつだからな...って、君マルフォイのこと知ってたのか？」

本当に何も気にしていないような私の様子に、二人は驚いたようだった。

『少し聞いたことがあっただけ』

前に向き直り、鍋をかき混ぜる。
私の薬は完成に近づいていた。