賢者の石-What is Love? (ページ11)

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金曜日、私はハリーとロンと共に地下に向かっていた。

これまでの数日、色々な授業を受けるうちに彼らとは大分親しくなっていた。

ハリーもロンも、私によく話しかけてくれた。二人から懐かれているのを感じていたし、私も実際に一緒に過ごしてみて改めて、二人の人間性に好感を抱いていた。

しかし、一つだけ問題があった。

今しがた、ベゾアール石の見つけ方だのモンクスフードとウルフスベーンの見分け方だのと呟きながら追い越していった少女の背中を見つめながら私は考えた。

これまでの授業において、私はハーマイオニーとライバルとも言える関係になっていたのだ。

同じマグル出身とはいえ、恐ろしい順応力を発揮してしまった十七歳の頭脳と知識に張り合われるのは無理がある。

私が点をもらうか彼女が成功するか、火花散る戦いは毎度繰り返された。
彼女からの敵意はひしひしと感じる。

私のはただのズルみたいなものなのに、なんだか申し訳なかった。

彼女との距離を縮めることは、今ひとつ上手くいかないな。
そんなことを考えながら口を開く。

『次の授業って何だっけ？』

ロ「ふざけないでくれよ、地下牢に向かいながらどこに行くか分かってないやつなんているか？」

『あっ、忘れてた...』

ハ「君って全く最高だよ」

ハリーは暗い顔をしていた。
大方、セブルス教授に虐められることでも考えているんだろう。

私の叩いた軽口も、彼を明るい気持ちにはしなかったらしい。

『大丈夫だよ』

ハリーの背中を優しく叩いた。

彼はこちらを見る。
きっと何も起きないから、というような微笑みを彼に向けた。

彼のご想像の通り、腐るほど嫌味を言われることを私は知っていたけれど。

出席確認は何事もなく済み、セブルス教授の大演説が始まった。

セ「このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な化学と、厳密な芸術を学ぶ」

静まり返った教室で、演説は続く。

セ「我輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である...」

教授はやっと話し終えた。
クラス中が息を飲んでいるのが分かる。

じっとりと舐め回すように生徒たちを見渡した教授は、徐に口を開いた。

セ「ポッター！」

セ「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか？」

始まった、と思った。
私自身は答えは分かっているけれど、手を上げてもハーマイオニーのように無視されるのがオチだろう。

私は羽ペンと羊皮紙を取り出した。