確かに恋をしていた ページ50
現代のルナはあの世に来ていた。閻魔大王にある者がどこにいるか尋ねた。
教えて貰った場所へと向かったルナ。そこは真っ白な何もない空間だった。
暫く歩くと１本の大きな木があり、その下には椅子が置いてあった。椅子には誰かが座っていた。
「…ザマス…」
「…ルナ様」
そこにいたのはブラックだった時のザマス。未来で死んだ彼をゴワスが最後の慈悲と、時の指輪を使って現代のあの世へと連れて来たのだった。
「貴方が間違いを犯してしまったのは、私の余計な一言があったからではないのかと反省しています」
「……貴女は悪くない」
ザマスはゆっくり顔を上げ、ルナを見た。彼女はどこか悲しそうな顔をしていた。
「貴女は私の世界を…ほんの少しでも受け入れて下さった。私は…ゴワス様や他の者達に問い掛けても否定され続けてきた…」
「……」
「私はいつしか貴女を好いてしまった。だが結果的に、貴女を悲しませてしまった」
「貴女の隣にはいさせて貰えない…それが私に与えられた罰なんでしょうね」
ルナに憧れ、いつしか恋をしてしまったザマス。だが彼女は自分ではなく…別の神のもとへと行ってしまった。
ザマスが上を見上げると木がゆっくり揺れた気がした。ここは風もない空間、だが彼の後ろに立つ木だけがザマスを見守ってくれていた。
彼はここで自身の犯した過ちについて考え続けなければならないのだった。
「最後に聞いても良いですか…？」
「何？」
「ルナ様にとって、人間とは何ですか？」
「面白い、かな？」
「…そうですね。勝てない相手であっても立ち向かっていく無謀さ。愚かさ……故に面白い」
ザマスは最後にルナの顔を見た。以前のような笑顔ではないが、確かに自分は彼女に恋をしていた。
いつか、己は彼女の隣に立てるのだろうか？
彼女の笑顔が己に向けられるだろうか…
時間はいくらでもある。ザマスは目を閉じて、ゆっくり考えるのだった。
be continued
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こっぺん(プロフ) - 紅蓮さん» コメントありがとうございます。のんびり更新していきますので、よろしくお願いします！ (2019年10月2日 23時) (
レス) id: 8f1ba3636c (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮(プロフ) - この作品大好きです！これからも頑張ってください！更新楽しみに待ってます！ (2019年10月2日 21時) (レス) id: 167b4beba7 (このIDを非表示/違反報告)
こっぺん(プロフ) - YUUKOさん» ありがとうございます。のんびり更新していきますので、よろしくお願いします！ (2019年9月24日 21時) (レス) id: 8f1ba3636c (このIDを非表示/違反報告)
YUUKO(プロフ) - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます。これからも頑張って下さい (2019年9月23日 21時) (レス) id: 5afe16bc4a (このIDを非表示/違反報告)
こっぺん(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。のんびり更新していきますので、よろしくお願い致します。 (2019年9月19日 7時) (レス) id: b36c557853 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こっぺん | 作成日時：2019年9月16日 22時
