再会を喜べって！(スコット・ラング) ページ44
「アントマンって、マジでアベンジャーズなの？」
「どう言う意味？俺の中ではマジでアベンジャーズだけど。」
「いや、正確には元コソ泥のスコットってマジでアベンジャーズなの？だね。」
大体角砂糖サイズまで縮んだ、かつての犯罪仲間をアイスティーの氷越しに見て言う。どうやら彼は何らかのヒーロー的理由で私の職場に侵入したらしい。デスクの上を整理していたら感動の再会を遂げるだなんて、誰が思っただろうか。
「とりあえず大きくなって話して良いよな？数年ぶりだし、言いたい事は沢山ある。まず、あの時俺のアイス食ったのお前か？」
「良いよ。私も会えて嬉しいし。後、アイスはカートが食べた。」
一気に人間サイズに戻った彼は壁に寄りかかって話し始めた。まず刑務所の中での話から始まり、何でアントマンになったか、それとアベンジャーズとして上手くやっているという事。相変わらずのノリの軽さだ。だが彼なりに修羅場を潜ってきた事はよくわかる。それから私のおやつを拝借して、娘の話を始めた。
「指パッチンの間に育っちゃったからさ、一番大事な時期にそばに居てやれなかった。」
「でもいいじゃん、別に嫌われたりはしてないんでしょ？」
それまでより少しだけ寂しそうなトーンで話す彼は、確かにあの頃とは変わっていた。勿論それは良い事なのだろうが、未だ犯罪者な私からすれば彼が少し遠くに行ってしまう様な気がした。彼自身は変わっていない筈なのにどうしてだろうか。
「お前も早く足を洗えよ。俺だって更生出来たんだからさ。」
まさに図星な一言。複雑な気持ちを何とか隠した返答は、これまた微妙なものだった。
「じゃあ私を雇ってくれる？」
「それは博士に聞かないとダメだな。」
そういえば彼自身も雇われの身に近かったんだった。そもそもスコットが更生出来たのだって、本人の実力と仕組まれた幸運によるものらしい。どちらの待ち合わせも無い私には、彼に着いて行くのは無理そうだ。
「じゃ、まだこれを続けなきゃかも。」
「そんな顔するなよ、とりあえず今は再会を喜べって！」
肩を落とす私にスコットがアイスティーを差し出す。私が悩んだ時にこれを飲むのを知っているのは、彼と彼の友達だけだ。とは言っても、そのアイスティーは元々私のデスクにあったものだが。
「相変わらず、励ますのが上手だね。」
「まだ俺も努力中だしさ、一緒に頑張ろうぜ。」
明るく笑う親友の姿は、今でも私に勇気をくれる。彼はヘルメットに反射した夕陽に目を細めた。
めんどくさいって言われても(パヴィトル・プラパカール)→←落下地点で(トニー)
今日、あなたが会えるかも知れないキャラは
タスクマスターです！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆないと(プロフ) - しそさん» レス遅れてすみません！本当に嬉しいです！！ (2022年6月7日 4時) (
レス) id: 4893013c84 (このIDを非表示/違反報告)
しそ - ドクターオクトパス大好きなので、小説凄く需要あります…！(*^^*) (2022年4月26日 20時) (レス) @page29 id: a08eafc584 (このIDを非表示/違反報告)
うお - ゆないとさん» 読ませて頂きました!!いやもうホント嬉し過ぎて3回くらい深呼吸＆休憩挟んで読みましたよ…( ˇωˇ )お陰様で我が人生に一片の悔いなしです本当にありがとうございます!! (2022年3月22日 19時) (レス) id: 180a8e8286 (このIDを非表示/違反報告)
ゆないと(プロフ) - うおさん» 書いてみました！いい感じになってるかは分かりませんが、気に入ってくださると幸いです。 (2022年3月22日 7時) (レス) id: 4893013c84 (このIDを非表示/違反報告)
うお - ゆないとさん» えええええ良いんですか( ⍥ )アメコミ小説書いて頂けるだけでも有難いのに…嬉しすぎます…ウィンターソルジャーで何か書いて欲しいのですが、ホント無理しないで気が向いた時で大丈夫です!!応援してます!! (2022年3月20日 17時) (レス) id: 180a8e8286 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆないと | 作成日時：2022年1月28日 0時
