223話 みぅvsシャカ ページ28
静寂を破ったのは闘志を剥き出しにしたシャカだった
「みぅ、さすがだな、だがここまでだ
俺には勝てねぇぞ？」
ゾッとしたものが辺りに漂う
周囲も驚きを隠せない
「あのシャカが最初から警戒していた
この女、一体何者だ！？」
本物なのが伝わってくるからだ
「･･････」
みぅもその気迫に押される
個人戦でのバルトとの試合を思い出す
(シャカ君･･･体当たりではすぐやられる
あの時とはケタ違いだ
考えろ･･･)
１stバトル
ネメシスがパワーで押され１ポイント落とす
「くっ」
唇を噛みしめるみぅ
想像以上に力の差がある
バルトとの戦いのように楽しそうな笑顔に胸が痛む
「みぅ！こんなもんじゃねぇだろ
本気でかかって来い！！！」
「！」
その言葉で迷いが消えた
すぅと息を吸い込んだ瞬間
「！！」
みぅの表情が勝負師のそれに変わる
シャカがニッと口端を上げるも動ずることもなく
静かに構えた
２ndバトル
右打ちでパワーを上げ、左回転で逃げ切り
１ポイント奪取した
場内は驚いているが
「つまらない勝ち方･･･」とみぅが呟く
黒を纏った女神･･･
シャカは違和感を感じる
みぅの性格ではこんな戦法は選ばないハズ
そしてそれを解っている様子
(コイツは一体、何と戦っている？)
「次はバーストで終わらせる」
３thバトル
ネメシスが攻めに出てきた
左回転での攻撃
パァン
２機がぶつかると同時に両機がバースト
「なっ！」
ワキヤ、シスコだけでなく、ルーウェイも息を飲む
４th、５th、６th･･･同時バースト
息が上がる
みぅは汗でぐっしょり濡れた黒手袋を投げ捨てた
「どうした？暑さにやられてきたか？」
シャカもハァハァと肩で息をする
だが、みぅは返事もせず
いや、その声が届かないくらい集中している
周りも声がかけられない
「行くぞみぅ！！」
７th、８th･･･ １対１のまま勝負が動かない
「おい！タイムだ！給水しろ！！」
唯一、割って入れるルーウェイがシャカにドリンクを投げる
アナも慌ててみぅに手渡す
「！！」
(この子の手、血の気がひいてる)
チラリとルーウェイに視線をおくる
彼も気付いている様だがバトルを止めようとはしない
止めることができない
「アナさん、ありがとう」
一口含んで構える
ゾクっと寒気を感じる
先ほど対峙した同一人物とは思えない
「おい、みぅ！」「もう限界だろ！」
ワキヤ達の声も最早耳に入らない
そしてまた両機が放たれた
224話 Big5 灼炎寺カイザ→←222話 みぅvsソン・ルーウェイ
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