キミのトナリ。 (ページ3)

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毅《お家デート》ページ3

「『………』」

只今絶賛読書中。

読書と言ってもこんなバカ2人に小説なんぞ理解出来るはずもなく、手にしているのは漫画。

私としてはせっかくのお家デートで、もっとロマンチックなのを想像してたんだけど…

どうやらそれも漫画の読みすぎかもしれない。

そんなことを考えながらも着々と読み進め、シリーズの最終巻を読み終えた。

ちょうどキリがいいし、何か隣の毅に話しかけようか、新しいのを読むか迷ったけど、結局テーブルの上の新しいのを手に取った。

すると突然、

『あっ！ちょっそれ！俺が今読もうとしてたのに！』

っていきなり手を伸ばしてくる毅。

「や～だよ～私が先～」

毅の手をはたいて読み始めようとしたけど、毅はまだ諦めようとしない。

『なんでだよっ！俺が読みたいって言ってんの！』

なんて言いながら私の漫画にひたすら手を伸ばしてくる。

私がその手をはたいても、また違う方の手を伸ばしてくるから思い切って座っていたソファーに寝転んでしまった。

って、、ここまでしたら多分諦めるだろうって思惑はどこへやら。

私に着いてきた、いや、正しくは漫画に着いてきた毅が私の上に乗っかってる。

しかもなかなか降りようとしない。

「ちょ、降りてよ笑」

しびれを切らした私は毅にそう言った。

だけどその言葉は逆効果。

『ふふ、なに笑

そういうの読んだんだ？笑』

いつの間に視線の先が漫画から私に移った毅が私をからかう。

「は？別に違うし。

てか早く降りてよ、変態。」

『ふふっ笑

変態はお前じゃね？

さっきお前が読んでたの、知ってるから笑』

うっわ、恥ず…

確かにさっき私が読んでたのはいわゆる‘‘そうゆう系”の漫画。

『なんなら、俺が相手してやってもいいけど？』

そんな事を急に真剣な顔で言い出す毅。

「ばか。」

なんて言いながら簡単に毅のオモチャになっちゃう私は、もっと馬鹿なのかもしれない。

fin.