【戦国BASARA】流離いの料理娘、いざ行かん!参【トリップ】

料理117 ページ22

―広間―

家「何、もう行ってしまうのか?」
「長居は無用」
家「そうか…」

朝餉を食べさせてもらってる席であたしは家康に報告
内容は今日の内に発つという事
言えば家康はしょ気る
家康も矢張り幸村と同類と見た←

家「それなら城下まで送らせてはくれないか?ワシの自慢の民が作る城下町を是非見て欲しい」
「まぁ、それ位なら別にいいが…」
家「そうか!なら準備が整い次第呼んでくれ!///」
「おぉ」

提案を呑めば直ぐに立ち直る家康
頭と腰辺りに目を向ければ案の定犬の尻尾と耳が生えてる
しかもご機嫌の様子

やっぱ…似てるな……

幸村とダブる家康を眺めながらあたしは静かにその現実を胸に収めた
言うと食いつきそうだったから
信玄公の弟子は忠犬と化すと見た←

・

・

・

―城下町―

　ガヤガヤ ワイワイ

「賑わってるな…」
家「三河は其処まで大きくはないが、賑やかさなら京と並ぶ自信はあるぞ」
「へぇー…」
理「お姉ちゃん!あれ何!?//」
春「ねちゃ!う!//」
「残念だがあたしの口は1つだから順番な」

初めて(?)の城下町に理一と春はさっきから大興奮
腕が引き千切られそうな程引っ張られてる

あたし五体満足でこの町抜けられるか…?

密かな不安を感じながら2人が指差すモンを見る

「理一が見てるのは人形屋だな。三河は菊人形をはじめ人形作りで広く知られてる国で、確か豊作なんかを祈願して、刈り取った綿の実で“綿人形”を作り、神社に奉納してるんだよな」
家「そうだ、よく知ってるなA」

未来人なんで←

「今の季節は五月人形が定番だな」
理「五月人形?」
家「立身出世を願う物だ」
「詳しく遡ると起源は大和に都があった平城の時代だ」
家「そんなに古いのか…」
「何だ、知らねぇのかよ」

あたしが呆れると家康は困った様に頬を掻きながら笑う

家「ワシはそこまで詳しくはないんだ」
「まぁ必要ある知識ではねぇからな」

他に質問があるか聞こうとしたが理一も春と同じモンに興味を持っていた
見るとそこには出店があった

「ありゃ生せんべいだな」
理「生せんべい?生なの?」
「あぁ、“煎餅”って名前に付いてるが実際は半生菓子に属する和菓子の一種だ」
理「どんな味?」
「もちっとした食感で味はほんのり甘いな」
理「へぇー…」
「食うか?」
春「あい!」
理「え、いいの?」
「ガキが遠慮なんざ10年早ぇっての」

あたしは店の主人から生せんべいを3人分買った
因みに金は政宗とか信玄公から結構貰った

金額に毎度驚かされて心臓保たねぇ…

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