料理111 ページ16
家「ハハハッ!野菜の冷汁か!熱冷ましに作ってくれた1品か?」
「おー、食うか?」
家「頂こう」
Aが家臣達の間をすり抜ける様に縫って歩み寄る
ワシが手で家臣達を制する内にAはワシの前に屈んで居る
「南蛮の野菜を使ってるんだ、トマトの冷汁」
家「ほぅ、“とまと”か。では頂くとする」
膳の上にある箸を手に取り器を口に運ぶ
すると口の中に流れる冷たい汁
舌の上を転がる様な独特な酸味と甘味が口の中をさっぱりとさせる
後からピリッとした辛味がくる
美味
これ以上の賛辞の言葉をワシは知らない
ワシは口から器を離す
未だにこの得も言われぬ味に酔いしれる
家「美味い!美味いぞA!」
「そら良かった。誤解を招く様なモン作っちまって、少し不安だったんだけどな」
家「そうか?そうは見えなかったがな…」
「あたしだって不安に思う事位あるっての。テメェあたしを何だと思ってやがるんだよ」
Aの飾らぬ荒い言葉が、ワシには新鮮に思えた
こんな口振りの女子には今まで会った事がなかったからか
兎に角嬉しかった
会って間もないワシにこんな美味なる物を振舞ってくれたのだからな
家「ありがとう、A。とても涼しくなったぞ」
「そうか」
静かに微笑むAの顔は、正しく傾城の美女であった
そんな彼女の微笑みに周りの者も思わず見惚れる
夢幻の美しさ
ワシはそれを垣間見た気がした
それから宴は再開し、1刻後には自然とお開きになった
片付けを女中に任せてAと理一、春を部屋に送る
家「ゆっくり休むといい」
「すまねぇな、こんなに世話になちまって」
家「気にする事はない、賑やかで喜ばしい事だ」
「フッ)ありがとな家康…、お休み」
家「あぁ…、お休み」
障子を閉め、ワシは自分の部屋へと向かう
家「///ッ……///」
その日は顔の熱が冷めるには温い夜だった…
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芹 - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2017年11月23日 14時) (レス) id: 88301bc593 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ - 凄く面白いです!夢主のキャラかっこよくて憧れます!!更新頑張ってください!!応援してます(・∀・) (2016年12月3日 12時) (レス) id: 06f3d584d6 (このIDを非表示/違反報告)
朱羅 - 中間テストあるので暫くコメ出来ないです。ごめんなさいm(_ _)m (2015年9月21日 17時) (レス) id: 9299aeefc2 (このIDを非表示/違反報告)
忍 - 朱羅さん» ありがとう!!そう言って(?)もらえると嬉しいよ!! (2015年9月8日 19時) (レス) id: e35de97a28 (このIDを非表示/違反報告)
朱羅 - 掛け持ち大変そうだね(^_^;)でも忍さんならきっと大丈夫だよ!忙しいかもしれないけど頑張ってね! (2015年8月31日 20時) (レス) id: 9299aeefc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:忍 | 作成日時:2015年5月6日 9時