少年が見た傷と私が見た傷 ページ2
クソッ…
最悪だ。
腕と脚がヒリヒリする。
車のドアを閉"め"ると同時に前に飛び出したが、ドアが完全に閉"ま"る前に爆発した所為で、勢いよく開いたドアに吹っ飛ばされた。
咄嗟に初音さんを抱えていなかった左腕を出した為、左腕は火傷と打撲ってところだろう。袖は一部焼けてしまった。
あと転んで右脚擦った。くそっ何年振りだ。
初音さんは無傷とはいかないが、軽い擦り傷くらいだろう。意識を失っているだけで、脈拍は多少速いが状況を考えれば妥当。
生きてる。
後はここから抜け出すだけ。
うん、ちゃんと立てるし関節もおかしくなってない。痛みは我慢出来る程度だ。
ちゃんと人1人抱えられる。
隣の車に引火する可能性も踏まえて、2つ隣の車の横を抜ける。
人を抱えて何処にもぶつけずに通るには狭い。申し訳ないが、緊急事態だ。車に寄りかかるようにして、横向きで通れば何ら問題はないだろう。
広い空間にでる寸前、焦りを孕んだ男性の声が聞こえた。
「初音さんっ！こりゃあ、ひでぇな。」
この声は…
「毛利さん！？」
「え、優さん！？どうしてこんな所に……初音さんは…」
「無事ですよ。なんとか間に合いました。」
毛利さんの険しい顔は初音さんの無事を伝えると、眉間によっていた皺が消えて安堵の表情に変わった。
「おじさん！優さん酷い怪我してるよ！早く手当てしてあげた方がいいんじゃないかな？」
下からそんな声が上がり、視線を向けるとコナン君が焦りで顔を歪ませていた。
「大した事ないわよ。」
「でも脚からの出血が止まってないし、腕の火傷結構酷いよ。初音さんはおじさんに任せて、早く手当てしよう。」
「坊主の言う通りです。優さんの綺麗な肌に痕でも残ったら大変だ。」
毛利さんに初音さんをひょいと持ってかれ、コナン君に手を引かれ…
怪我した脚を気にしてくれているのか、出来るだけ急ぐけれど、ゆっくりしたペースでお店に向かう。
緊張感が緩んだ所で、ふと思った。
悪態をついたが、冷静に考えれば全然マシじゃないか？
何が最悪だ。
瓦礫の山に埋もれるよりも、銃で撃たれて海泳ぐよりも全然マシだ。
…よ、よく生きてた私。
瓦礫はまだしも、銃で撃たれているのに短距離とはいえ海泳ぐって、もっと何か他に方法はなかったのか？
何事もなく、僅かな跡だけを残して完治したのが恐ろしい。
コナン君から見た私の傷の具合と、私から見たそれとじゃあ程度が違うように感じたのは、経験の問題だろうか。
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89*(プロフ) - あまねさん» あまね様 返信遅くなりました。当作品にもコメントありがとうございます。滞っている間に、公式様で警察学校組の物語が明かされ、捏造塗れの当作品に思う所は正直沢山ありますが、待っていて下さる方に私なりの彼らを届けられたらという思いは変わりません。頑張ります (1月3日 23時) (
レス) id: df3a537f9a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 何年経っても待ってます！ (1月1日 3時) (レス) @page30 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
89*(プロフ) - よるさん» よる様 コメントありがとうございます。自分でも此処まで書き進めるとは思いませんでした。とはいえ、まだ安室さんはポアロで働いてすらいない……最後のシリーズがいくつになるか自分でも予想がつきませんが、最後までお読み頂ければ幸いです。更新頑張ります。 (2020年6月7日 5時) (レス) id: 514fce46fd (このIDを非表示/違反報告)
よる - めっさ面白かったです！最初から読んだんですけど、まさか6まであるとは思いませんでした笑 凄くのめり込んじゃいましたよ！更新楽しみにしてますね！ (2020年6月6日 23時) (レス) id: 2dbbbc0498 (このIDを非表示/違反報告)
89*(プロフ) - アイスあるさん» アイスある様 コメントありがとうございます。読めば読むほど面白いと言って頂けて、非常に嬉しく思います。先は未だ見えませんが、完結の時までお読み頂ければ幸いです。 (2020年5月22日 21時) (レス) id: db4feb9097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：89* | 作成日時：2019年8月21日 18時
