予想を超える相違点 ページ12
迎えにきてくれないかしら?
少し苦痛に歪んだ声を聞いて、私は夜の街を愛車で走り抜けた。
送られてきた住所に行くと、そこにいたのは足から血を流すベルモットだった。
「珍しいわね。貴女が大怪我を負うなんて……」
あたりは暗くてよく見えないが、火薬の匂いが彼女するという事は、銃撃戦にでも巻き込まれたのだろうか?
あるいは起こしたか?
「少し厄介な奴に絡まれたのよ。……それとライにカルバドスがやられたわ。」
カルバドス。
彼は確か、ベルモットに心酔していた憐れな男だったか…
いや、心酔などという気持ちではないか。
彼が抱いていたのは愛だ。少し歪んではいたが、利用するにはちょうどいい。
そう考えて彼女は彼を使っていた。彼もそれをわかっていて従っていたのだろう。
ベルモットに肩を貸しつつ、私は口を開いた。
「ライ……忌々しい奴。私の手をすり抜けたのは奴1人だけ。今度会ったらその時を奴の最期にするわ。絶対に…」
おそらく再び会う事になるのは、キールがライの脳天を撃った"後"だろうけど…
「相変わらず可愛い顔して物騒ね。」
「揶揄っているのなら捨て置くわよ。」
「あら、嘘は良くないわね。」
はっきり嘘だとバレるのは、なんだか悔しい気がする。事実置いて行くつもりはないのだけど…
果たしてこの選択が警察として正しいものなのか、私にはわからないが…
「貴女に言われたくないわ。嘘と秘密だらけじゃない…」
彼女が組織に所属する理由を聞いた事があるが、答えはお決まりの台詞に隠された。
「A secret makes a woman woman.女は秘密を着飾って美しくなるものよ。」
「ベルは充分すぎるほど綺麗だと思うわ。」
本当、羨ましいくらい。
私の心を知ってか知らずか…
彼女は妖艶に
「ありがとう。」
笑った。
車を走らせながら私は考える。
確かこれは季節外れのハロウィンパーティーの話だった筈だ。
それより前の話で灰原哀が白乾児を飲み大人になった所をジンに見られた時、雪が降っている描写があった気がしていた。
だからハロウィンを過ぎた頃という意味なのかと思いきや、今は6月。
私の記憶が間違っている可能性は大いにあるが、それにしても時系列が当て嵌まらない。
まあそもそもが矛盾しているのだから、ある程度仕方ない。
覚悟はしていたが、思っていたよりも事は急速に進んでいる。特に組織絡みの話だけが異常に…
この様子では安室透は原作より早い段階で出てきそうだ。それが吉と出るか凶と出るか…
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89*(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» 星を見守る砂岩様 コメントありがとうございます。此方も返信が遅れて申し訳ありません。お祝いのお言葉が頂けて嬉しいです!これからもどうか応援宜しくお願い致します。 (2019年2月5日 22時) (レス) id: fe7ba8f509 (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - 1周年おめでとうございます!!祝うのが遅くなってすみません・・・色々あって...いつも更新楽しみにしてます!!これからも頑張って下さい!応援してます! (2019年2月4日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
89*(プロフ) - シユンさん» シユン様 コメントありがとうございます!更新停滞気味になってしまい申し訳ありません。暫しお待ち頂ければ幸いです。……今日中に出来ればと思っています。 (2019年1月16日 7時) (レス) id: fe7ba8f509 (このIDを非表示/違反報告)
シユン(プロフ) - 更新まだですか?楽しみにしています! (2019年1月14日 12時) (レス) id: da17fe9160 (このIDを非表示/違反報告)
89*(プロフ) - まいさん» まい様 コメントありがとうございます。面白い、楽しいといった言葉は本当に励みになります。精一杯頑張りたいと思います!これからもこの作品を読んで頂ければ幸いです。 (2019年1月7日 2時) (レス) id: fe7ba8f509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:89* | 作成日時:2018年9月24日 17時