なみだのおあじはいかがです？ ページ40
「A」
「っ…焦凍…！？」
バレた。
「な、んで、いつから」
「お前が、俺の言うこと冗談じゃないって知ってるってとこから」
バレた。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう…)
声が、体が震える。喉が張り付く。視界が揺れる。ダメだ。このまま、ここにいたら。
「っ…！」
「A！！」
「離して！！」
焦凍の手を振りほどこうとした。それでもがっちりと掴まれた腕は離れない。
(怖い…！)
騙してたのかと怒鳴られる？ 嘘つきだと罵られる？ 嫌いだと、突き放される？
(━━━━━自分から、突き放したくせに)
いざされるのが、怖いなんて。
(こんなの、何言われたって…)
「なあ」
「っ……」
「俺の事好きって、本当か？」
「え…？」
恐る恐る見た、焦凍の顔は真っ赤で。
なんでそんな、必死な目で。
「嬉しかった…お前に、好きだって、言ってもらえて…
「なんで…」
「お前のことが！ 好きだからに決まってんだろ！」
「っ…！ でも、聞いてたでしょ！？ その気持ち自体が、わたしが作ったニセモノかもしれないのに！」
「っざけんな！！」
「！？」
(え…？)
ぎゅうっと。
苦しくて、あったかい。
抱きしめられたと気づくのに、数秒かかった。
「お前にだってこの気持ちを否定される謂れはねェ！！」
焦凍のこんな声、初めて聞いた。
悲しそうで、怒ってて、でも…でも、それだけじゃない。
「なんでっ…好きなやつに、好きだってこと否定されなきゃいけねェんだよっ…！」
好きだ、っていう気持ちが。
溢れて、こぼれて。
「だってっ…」
「初めて会った時から！ 好きだった！！」
「え……？」
「泣いてる俺を見つけてくれて、笑ってくれて、卵焼き、食わせてくれて…あん時から…お前より、俺の方が、前から…好きだって思ってたんだ…！」
うそ。
「なあ、これでもニセモノか？ 俺の気持ちは、お前が作った幻なのか？」
うそだ。じゃあわたし、今まで。
「っ……嘘だぁ…」
ぼろぼろ涙が出てきて、情けない声が出た。
「嘘なわけねェだろ」
「だってそれじゃ、わたし、今まで…」
「……とんだ遠回りだな」
「っ……ひぐっ、ぅっ…」
「……しょっぺェ」
「っ……バカぁああ…！」
「そうだな。2人とも、バカだったな」
もっと早く、ちゃんと話せば良かったなと。
呟く焦凍の声が、とても優しく耳に響いた。
くうきもあまあまめでたしめでたし→←ココロころころころがるおもい
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若葉 - んぅぅぅ！！読んでてニヤニヤしちゃいました…… (2022年8月27日 15時) (
レス) id: 7981b3d9d1 (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - ほっこりしてて幸せなお話しですネ!!読んでてニコニコしました。 (2021年7月25日 22時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 蒼天さん» レスおそくなりすぎましたっ…！ 轟くんがやっとむくわれました。これから2人はますますイチャイチャしていくと思います笑 コメントありがとうございました！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
蒼天 - SangriAさん» あぁええ話や………尊いｯ…本当に尊い。良かったね轟くぅぅぅうううううんｯ!!!!!また美味しいお話待ってます!!更新頑張ってくださいq(^-^q) (2019年3月1日 7時) (レス) id: 565e35004c (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 図書委員ポスターイラスト担当生徒さん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんの料理を食べるには轟くんをなんとかしないとデッドエンド(;∀;) 更新これからもがんばります。ありがとうございます！ (2019年2月24日 10時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2018年9月16日 18時
