45−その嬉しさの向こう側に。 ページ45
週開けた月曜の朝、ルハンにもらった髪飾りをつけて家を出ると、やっぱりルハンの方が早かった。
「おはよう」と言って家のドアを閉めた私の頭に、髪飾りがついていることを確認したのか、ルハンは何も言わずにただ嬉しそうに微笑んだ。
学校に行くまでの道のりを、ルハンの自転車の後ろに乗って過ごすのはいつものこと。
それなのに、今日はいつもと違うような気がして。
「ねぇルハン」
そう呼び掛ければ、前からは「ん〜？」というのんびりとした声が返ってくる。
「これ、ありがとね」
付箋にありがとうって書いていたけど、やっぱり直接言いたかった。
ルハンのお腹に回していた右手を離して、髪飾りに触れる。
途端、「おい！離すなって！」と怒られてしまった。
それでも嬉しくて、ルハンのお腹にまた両手を回すと、ぎゅっと力を入れる。
前から吹く風にルハンの匂いまでもが含まれているようで、思わず鼻孔をくすぐった。
学校に着いてルハンとわかれて教室に入ると、ホームルームが始まるほんの数分前だった。
ジョンインも私たちと同じくらいに学校に着いたのか、私が入ったすぐ後に入ってきた。
「おはよう」
「おはよ」
ジョンインが「これ、可愛いね」と髪飾りに指先で優しく触れて言う。
「でしょ？でもそれね、ルハンはじめは“お前には可愛すぎる”って言ったんだよ？酷くない？」
「ルハン…？」
「うん、ルハン。それルハンがくれたの」
「…へぇ、そうなんだ…」
どうしてか段々声が小さくなって、黙ってしまうジョンイン。
ぼーっと髪飾りを見てるからどうしたんだろうと思っていると、「似合ってる」と聞こえてきて。
「ありがとう」と言うと、ジョンインはふっと笑って席に着いた。
ホームルームが終わって壁に貼ってある時間割を確認する。
どうやら一時間目から移動教室らしい。
３階まで行くの遠いんだよなぁ、なんて思いながらも、いつもの私、ハニ、ジョンイン、セフンのメンバーで向かう。
「あれ？A、教科書は？」
階段を上っている途中、突然そう言ったハニ。
「え？」と見てみると、
「あー！１冊足りない！」
３冊あるはずの教科書が、２冊しかないのだ。
「ごめん、先行ってて！」
そう言って階段をかけ下りていると、パシッと掴まれる右腕。
びっくりして振り向けば、そこにいたのはジョンインで。
「ジョンインも忘れ物？」
「んー、まぁそんなとこ」
曖昧な返事に、思わず「何それ」と笑ってしまった。
46−君に僕が、見えていますか。→←44−会えない時間に、想いは募る。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
