44−会えない時間に、想いは募る。 ページ44
結局そのまま手を繋いで走って、雨で体はどんどんと冷えていくはずなのに
繋いだ手から伝わるぬくもりはどんどん心を温かくした。
段々と近づいてくるお互いの家に、まだこの手を離したくないなんて思ってしまう。
だってルハンと手を繋げることなんて、そう滅多にないから。
まだ家に着かなければいいのにと思うと足が重くなってくる。
少しだけ走るスピードを緩めると、前を走るルハンが不思議そうに振り返った。
「A？疲れた？」
「あ、ううん！大丈夫。」
きっと今の私は全然上手く笑えていないんだろうな。
「もうこんな濡れちゃったし！歩こうか！俺も疲れた！」
走るのをやめたのに繋いだ手は離されないままで、ドキドキという音が手から伝わってしまいそう。
だけど少しでもこの時間が長く続けばいいと願った。
家の前に着いて、「じゃあね」「バイバイ！」手を振って別れる。
毎日毎日会っているのに、その時さえ別れが惜しく感じた。
家に入るとチャニョルとお母さんがずぶ濡れになった私を見て驚いていた。
お風呂に入って夕飯をすませると、早めにベッドに入った。
なんだか心がやけに充実していて、目を閉じると簡単に眠りの世界へ引き込まれた。
・
朝、目を覚ますと枕元に見知らぬ小さな袋が置いてあった。
「何これ…」
手に取ってみると、見慣れた付箋が目に入った。
＜プレゼント選び付き合ってくれてありがとう。＞
と書かれていて、袋を開けてみるとあの時の髪飾りが入っていた。
“その髪飾りお前には可愛すぎるんじゃねえの”
あの言葉はルハンの照れ隠しだったのかな？そう思っても、いいのかな？
付箋の裏側には〈雨で少し濡れた。ごめん〉なんて小さな字で書いてある。
ルハンからのプレゼントが嬉しくて、胸がきゅんきゅんと音を立てる
髪飾りを手に握りこむと、ルハンの部屋がある窓へ足を進めた。
窓にもう一つ付箋が貼ってあって
〈不用心だな！窓開けて寝るなって前から言ってるだろ！〉
いつも通り心配性のルハンの怒ってる顔が浮かぶと、おかしくなって一人で笑ってしまった。
筆箱から付箋を取り出して〈ありがとう。大切にする〉そう書き込むと、ルハンの部屋の窓に貼りつけた。
部屋の鏡の前で髪飾りをとめて、指でなぞる。
月曜日はこれをして学校へ行こう。
いつもは月曜日なんて大嫌いなのに、早く明日になればいいと思ってしまう。
早くルハンに会いたい。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
