42−怒りは風が溶かしてくれる。 ページ42
土曜日の今朝、カーテンの隙間から射し込む暖かな日差しで目を覚ました。
空を見て、快晴だ、と心を踊らせる。
だってルハンに母さんのプレゼント選ぶの付き合ってって言われた日から、楽しみにしてたんだもん。
ルハンは何とも思ってないと思うけど、私は少しデート気分。
服や髪型にも気をつかった。
おばさんのプレゼント選びは私だけが真剣にしてた気がするけど無事に終わって、このまま帰るのも惜しいから二人でぶらぶらと街を歩く。
今私たちって、端から見たらカップルに見えてるのかなぁ、なんて。
何気無く入ったショッピングモールで、髪飾りを見つけて手に取った。
…かわいい。
元々こういう髪飾りとかが好きな私。
学校には本当にたまにしかつけていかないけど、集めてたりもする。
気に入ったものを見つけて、鏡の前で髪飾りを合わせていると、後ろからぽつりと「可愛い」というルハンの声が聞こえた。
びっくりして振り返ると、私を見つめていたルハン。
突然の言葉に、思わず心臓がどきりと跳ねる。
それなのに、次に聞こえてきたのは「だ、だから！その髪飾りお前には可愛すぎるんじゃねえのって！」という言葉で。
「こんな可愛らしいの似合わなくてごめんね！」
カチンときて、静かに髪飾りを置くとお店を出た私。
あんなこと言う必要ないのに。
イラつかせるようなルハンの言葉も、それに対する可愛い気のない私の言葉も嫌だった。
ショッピングモールを出て、ふぅ…と息を吐いたと同時に掛かってきた電話。
画面を見てみると、そこには＜ルハン＞という文字が映し出されていた。
何で掛けてくるのよ。出なければいい。
そう思っていても、私の指は応答をタッチしていた。
「…はい」
『お前今どこ？』
「…」
『おい、今どこって「外出たとこ」
『は？外？そこいて、すぐ行くから』
プツッと切れてしまう電話。
機械的な音だけが、耳に残った。
それからルハンは本当にすぐやって来て、私を見るなり「先行くなって！」と怒ってきた。
誰のせいだ…。
その言葉は口に出さずに飲み込んで「ごめん」と言うと、すぐに「俺もごめん…」と聞こえてきて。
俯いていた顔をあげると、ルハンがじっと私を見つめていた。
私を見つめるルハンの瞳に吸い込まれそうになる。
ひゅっと優しく吹いてきた風が、私たちの髪を遊ばせる。
きっとルハンは、今私の心臓がうるさくドキドキといっていることを知らないんだ。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
