40−揺れるカーテンに心を踊らす…。 ページ40
ルハンside
Aと約束した土曜日は、すぐにやってきた。
とかいいつつ、約束した日以降毎日カレンダーと睨めっこをして、近づいてくる土曜日に日に日に胸が高鳴っていたのは事実なんだけど…
ピピピ、と耳元で鳴るアラームに目を覚ましてカーテンを開けると、白く染み込んだ朝の日差しが窓を通って入ってきた。
学校のある日なら起きるのが億劫で仕方ないのに、あまりにもすっきりと目覚めた自分に
こうまでも違うのかと思うと少し笑える。
ベランダ越しのAの部屋はまだ薄暗くカーテンが閉まっていて、
あいつまだ寝てんのかな。寝過ぎだろ。
なんて思い心の中でこっそりと笑う。
朝ごはんを食べようとリビングに行くと、母さんがキッチンにいた。
「あら！おはよう。今日休みなのに早いのね？」
休みの日なら昼まで寝てる俺がこんな時間に起きて来たからか、驚いて目を丸くした母さん。
「おはよう。今日Aと出かけるから」
「へ〜、Aちゃんと出かけるのいつぶりだっけ？楽しみなんでしょ？」
ふふっと笑った母さんに
「毎日顔合わせてるし」
正直に楽しみと言うのが照れ臭くて、そんなことを言う。
そんな照れ隠しなんかお見通しの母さんが「もうちょっと素直になりなさいよ〜。はい、ご飯」と、テーブルの上に朝ごはんを置いた。
「いただきます」と言って、テレビを見ながらご飯を口に運ぶ。
＿＿＿本日は快晴です。雲が少なく洗濯日和となるでしょう。
晴れ、か。
Aと出かけることを考えると、心がすーっと透き通るように気持ち良かった。
ご飯を食べ終わって部屋に戻ると、少し開けた窓から入る風に靡いたカーテンがひらひらと揺れていた。
Aの部屋を見ると、流石にもう起きたみたいでカーテンが開いていて、自分の部屋と同じように風がカーテンを揺らしていた。
まだ寝てたら「早く起きろ」って叩き起こしに行ってやろうかと思ってたのに。
びっくりして目を開けて、寝ぼけた顔でぼーっと俺を見ているAを想像して、思わずぷっと笑った。
昼前に家の前で待ち合わせして、玄関から出てきたAはいつもの制服とは違う、私服姿にドキッとしたけど、何も気にしないフリをしてしまう。
髪だってふんわりと巻かれていて、俺の為？なんてありもしない事を考えて口元が緩んだ。
41−正反対の甘さと苦さ…。→←39−心配性と臆病者のその先は…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1794人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
