39−心配性と臆病者のその先は…。 ページ39
私はアイスラテ、ハニはクレープを注文して椅子に腰かけた。
「ん〜！美味しい〜！！」
生クリームたっぷりのクレープを美味しそうに頬張るハニ。
「ね〜、Aはずっとこのままでいいの？」
ストローを咥えたまま「ん？」と言うと、「ルハンの事！」と言ってクレープを私に向けた。
ん！と差し出されて、一口貰うと口の中に優しい甘みが広がる。
「で？」
「ん〜…」
「もう一歩踏み出してみればいいじゃん。」
少し不満げな表情のハニに、思わず苦笑うと、笑ってないで！と怒られてしまった。
「でもさ、ルハンはそれを望んでないから。ルハンを困らせたくないし…」
言葉を濁すようにアイスラテを口に含むと、さっきよりずっと苦く感じた。
「そんな事ないと思うけどな〜」
そう言ってクレープに噛り付いたハニに
「そんな事あるんだよ」って思ったけど、口に出したらじれったい！って怒られそうだから心の中にしまっておこう。
「もう、その話は終わり！」
「いつでも話聞くからね？」
結局は私の事を想って、心配してくれる親友に「ありがとう」と笑みが零れた。
ハニと別れて一人で歩く帰り道。
いつもはルハンの自転車の後ろに乗っているだけだから楽だけど、歩くとなると結構遠い。
何となくスマホをいじりながら歩いていると、手の中で小さくバイブが鳴って
画面に表示された〈ルハン〉の文字
【母さんの誕生日プレゼント選ぶの付き合って】
【あ、もうすぐおばさん誕生日か！】
【次の土曜日空いてる？俺部活休みだから出掛けよう】
まるでデートのお誘いみたいなメールに、胸がドキッとする。
私も土曜日は部活休みだったはず、と急いでスマホのスケジュールを開いてみると
画面が切り替わって〈着信 ルハン〉の表示が出ていた。
「もしもし？」
『もう家着いた？』
「ううん。まだ。今帰り道。」
『んだよ。もう外こんな暗いじゃん！もっと早く帰って来いよ！』
カーテンを開いた音が電話の向こう側から聞こえて、不機嫌な声のルハン。
なんでいきなり不機嫌になったのか分からないけど、とりあえず「ごめん」と謝る。
『どこ？』
「もうすぐコンビニ。」
『あっそ。すぐ行く。』
「え？」
えっ？という私の声に返事はなく、プツリと通話が終了されてしまった。
迎えに来てくれるんだ…そう思ったら、緩む表情を抑えられなかった。
こうやって特別扱いしてもらえるなら、このまま幼馴染でも構わないってそう思う私は
臆病者かな？
40−揺れるカーテンに心を踊らす…。→←38−光る汗と、輝く笑顔。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
