4−大小、いずれにせよ。 ページ4
コンビニの駐輪場に自転車を止めて
車止めの前にある丁度椅子になりそうな高さの鉄柵に2人ならんで座る。
「ちょっと、隣のに座ればいいでしょ？」
「別にいいじゃん」
「狭いし…」
熱々の肉まんを取り出して慎重な面持ちで二つに割っていくルハン。
そんな真剣な顔しなくても…っていつも思うけど、ルハンって何に対しても真剣なんだよね…。
二つに割り終えると、一瞬眉間に皺を寄せたのを見て、
今日は失敗したんだなと思うと少しおかしかった。
綺麗に二つに割れた日は、左側の口角が嬉しそうにクイッと持ち上がるからすぐに分かる。
「はいよ。」
結局は大きい方を私にくれるルハンは優しい。
パクっと一口頬張ると、幸せそうに目尻を下げたルハンを見て
何だかとてもお腹がすいてきた私も一口頬張った。
学校帰りの買い食いってどうしてこんなに美味しいんだろう…
ほぼ毎日お決まりのコースなのに、やっぱりこの時間はとても幸せに感じる。
「ねぇ、今日喋ってたアイツ誰？」
何の前触れもなく始まった会話に頭の中がハテナでいっぱいになる。
「アイツ？どの人の事？ってか、何でそんなこと聞いてくるの？」
「別に？」
「…何それ。」
何事もなかったかのようにパッと視線を肉まんに移したルハン。
一瞬で無くなった肉まんに物足りなそうな顔をして
私の手の中にある肉まんに視線が移された。
「あーもう！あげるよ。はい。」
「やった！サンキュ！」
嬉しそうに受け取るとそれも一瞬で食べてしまった。
お金を払ったのはルハンなんだから私は別にいいんだけどね。
「音楽室の近くで話してたアイツだよ。」
「…へ？」
「さっきの話。」
また唐突にさっきの話に戻されて頭が追いついていかない。
「あ、あ〜！思い出した。新聞部だって。ダンス部の取材いつがいいかって聞かれただけ。」
「あっそ。」
自分から聞いてきたくせに、私の返事にはさほど興味がないと言ったように
「んんーーーっ」と伸びをしながら立ち上がると、わしゃわしゃーっと乱暴に私の髪を撫でた。
「やめてよ！ぐちゃぐちゃになる！」
あはは！ぐっちゃぐちゃ！なんて、やたら人懐こい笑顔で笑われて、結局は許しちゃう私。
「んじゃ、帰るか！！」
さっさと自転車にまたがると、まるで「早く！」とでも言うように見つめられて、慌てて後ろに跨った。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
