27−頬にさらりと触れたシャツ。 ページ27
「行ってきまーす！」とリビングにいるお母さんに言って家を出ると、すでに自転車に跨がっているルハンがそこにいた。
ルハンは私を見るなり「おっそい！」なんて言ってくる。
「私が遅いんじゃなくってルハンがうちで朝ごはん食べるから遅くなるんじゃん！遅刻したらルハンのせいだからね！」
「ごめんって。早く乗れよ」
そう言うと、ケラケラと笑いながら後ろをポンポンと軽く叩くルハン。
ルハンの後ろに座って「飛ばしてよ！」と言いながら手を回して掴まると、「俺安全運転するって決めてるから」なんて言われた。
もうすぐ学校ってとこで信号に引っ掛かる。
何で引っ掛かるのー！なんて言いながら、時間を確認しようとすぐそばにあった小学校の時計を見たら、もう朝礼が始まる３分前。
ルハンも私と同じように小学校の時計を見ていたみたいで、私の方に視線を移すと「遅刻決定だな」と、まるでいたずらっ子のように口角を上げて笑った。
学校に着いたと同時に、チャイムが鳴り響く。
その頃には私ももう開き直っていて、ゆっくりと自転車を降りた。
「はい、鞄」とルハンから渡された鞄を受け取ったとき、突然ずしっと、肩に重みが加わった。
でも次の瞬間にはその重みは軽くなって、代わりにぐいっと引き寄せられた。
頬に触れるシャツ。
そのさらりとした音が耳に伝わって、くすぐったく感じる。
ルハンの心臓の音が聞こえるくらい近くに引き寄せられて、耳が真っ赤になるのがわかった。
それと同時に背中に突き刺さる、いくつもの視線。
視線の感じる方を見てみれば、HRが終わって移動をしていたルハンのファンの人たちが、じっと私とルハンを見ていた。
「ちょっとルハン！」
そう言って慌てて離れようとするも、肩を離してくれないルハン。
ルハンは全然気にしていないみたいに、肩を抱いたまま校舎の中に入っていこうとする。
私もルハンのファンからの視線にはもう慣れてしまったけど、肩を抱き寄せられたりするのは別だ。
恥ずかしくなって肩に回されていたルハンの手を振りほどくと、「照れちゃって、かーわいい〜」なんてからかってくる。
「なにそれムカツク！」と言いながらも、照れてしまったのは事実でそっぽを向いた。
きっとルハンの彼女だったら、「照れてるよ！」なんて正直に言えるんだろうなぁ。
ルハンに触れられた肩や真っ赤になった耳に、じわじわと熱が集まってきて、ぎゅーっと胸の奥が締まった。
28−虚しく落ちた手と、抱き寄せる手。→←26−甘い言葉と、食べ物の恨み。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
