22−赤く染まった“好き”。 ページ22
ルハンside
Aは俺のことを睨んでるつもりなんだろうけど、少し高いところから見る俺には上目遣いにしかなっていなくて。
きっと、無意識なんだろう。
昔からそうだ。
俺の気持ちに気付いていないからこそ、いつも困る。
「メッチャ早起きして眠いから、ちょっと寝かせろ」
ドキドキする気持ちを隠すように、そう言ってばっと掛け布団をかぶった。
「バ！バカ！何言ってんの！？」
するとびっくりしたようにそう言うA。
俺はというと、早起きだったせいもあってか本当にだんだん眠くなってきて「ん〜？何が〜？」とだけ返す。
そんな俺に「ふざけんな！」と言って蹴りをいれようとしてきたから、その足を掴んで静止させた。
それでもまだバタバタと騒ぐA。
「こんなの昔だったら当たり前の事だったじゃん。もう、ちょっと黙って…」
そう言うと、それまでうるさかったAの声が聞こえなくなり、さっきまでのことがまるで嘘だったかのように静かになる。
…まさか寝た？
あり得ないか。
いや、Aならあり得るかも…。
もしかしたらじーっと俺のこと見てたりして。
なんて思って、ちょっとした好奇心から「おい。見すぎ。」と瞑っていた目を開けてそう言うと、目の前には「え？起きてたの？」と目をぱちくりとさせているA。
自分でAの頭を押さえるようにしてベッドに寝転んだのにも関わらず、近くなったAとの距離に心臓がうるさく騒いだ。
見てたんだ、俺のこと。
俺を見るAは、どんな表情をしていたんだろう。
俺がいつも見るAと、何一つ変わらないのかな。
それとも、ほんの少しだけ、違ったりするのかな。
…なわけないか。
ふっと笑いながら隣に寝転ぶAの頭に手を伸ばして撫でる。
「子供の頃眠れない時さ、よくこうやって撫でてやるとすぐに寝たよなA。」
そう言うとAは「こども扱いしないでよ！」と、また不満気な顔をする。
Aの頬は、さっきよりも赤い。
「ほ〜ら。手疲れるから早く寝ろ。」
そう言って頭を撫でていると、だんだんAの瞼が下がってきて数秒後には寝息が聞こえてきた。
「お前、寝るの早すぎだろ…」と、隣で無防備に眠るAを見ながら呟く。
それまでAの頭を撫でていた手を離すと、髪の毛がするすると指の間を抜けていった。
赤く染まった寝ているAの頬を撫でると、“好き”が溢れだして。
暖かさと切なさに、胸がぎゅっと締まった。
23−星を見た、石頭とナルシスト。→←21−越えたい気持ちを隠して。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
