20−ベランダのその先に。 ページ20
ルハンside
カーテンから漏れる朝日の陽射しで、それまで閉じていた瞼を開けた。
ぼーっとしているうちに、昨日Aがうちに来ていたことを思い出した。
抱き締めていたところまでは覚えているから、あのまま寝てしまったのだろう。
Aの姿はないってことは、いつの間にか帰ったんだろうな。
そんなことを思いながらベッドからおりて、設定していたアラームを解除しようと携帯を手に取ったとき、液晶に映った自分にびっくりした。
小さくて細長い何かがおでこにくっついている。
携帯をもつ反対の手で取ってみると、
…付箋？
『ルハンのバーカ』
思わずふっと笑みが溢れる。
バカはこういうことするAの方だろ。
ルハンと書かれたところを、近くにあったシャーペンで二重線を引いて消し、その上にAと書く。
…完璧。
シャーペンを机の上に置いたとき、カサ、とシャーペンが何かに触れる音がして。
机の上に視線を落とすと、プリントが昨日の夜に広げたままになっていた。
ただ少し違うことは、一問一問に付箋が貼ってあること。
…まさかこれ、Aが？
付箋の一つを手にとって見てみると、そこにはAの字で俺が解きやすいように解答へのヒントが書かれていて。
…どうせなら答えも書いてくれればいいのに。
なんて心の中で悪態をつきながらも、頬は緩んだ。
問題を解き終わったのは、５時を回った頃で。
ベランダに出る窓のカーテンを開けてみれば、ぶわっと暖かな光に包まれる。
眩しくて目を細めたものの、ベランダの奥にあるAの部屋の窓が僅かに開いていることに気付いた俺の目は、驚きのあまりさっきよりも大きく開いた。
ばっかじゃねーの？！
マジでなにやってんだよあいつ…。
寝ている間に泥棒入って襲われたりでもしたら、どうするつもりなんだ。
ベランダから外に出ると、まだあまり太陽が昇ってないからか少し涼しく感じる。
ひょいっと柵に足をかけて跨ぎ、Aの家のベランダにおりた。
窓に手をかけて静かに開けると、さらさらとした風が部屋の中に入ってカーテンが揺れた。
部屋の奥のベッドで、静かに眠っているA。
俺が部屋に入ってきたことも知らずに、スースーと小さな寝息を立てて寝ている。
「お前ちゃんと鍵閉めて寝ろよ！」なんて叩き起こしてやろうかと思っていたのに、Aを見てたらそんな気も起こらなかった。
21−越えたい気持ちを隠して。→←19−早起きは、トキメキをプラス。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
