17−眩しい光の中でできた秘密。 ページ17
温かさを感じると同時に、肩にかかる重みで目を覚ました。
ゆっくりとそれまで閉じていた瞼を開けると、一気に光が入り込んできて眩しく感じる。
肩が重くて、そーっと後ろを向いて確認しようとしたけど、後ろを向かなくても横目で確認できた。
ルハンは私の肩に顎を置いて、後ろから私の腕までも抱き締めるようにして眠っていた。
そうわかった途端、眠っているルハンに聞こえるんじゃないかって思うほど、心臓が激しく音をたてる。
２人とも、ベッドに座ったまま寝てしまったらしい。
時計を見ると、針はちょうど23時を指していて。
ずっとこの状態で眠っていたのかな、なんて思うと、胸がきゅっと締め付けられた。
「ルハン？」
ルハンの腕の中から出ようと、そう声をかけてみるものの、ルハンからの反応は返ってこない。
「ルーハン？」
そっとルハンの腕から手だけを出して、つんつんと、ルハンのほっぺたをつついてみるけど、やっぱり反応は返ってこなくて。
…起きないか。
仕方なく、お腹あたりで握られているルハンの手にそっと触れる。
男の人特有のゴツゴツした手にドキッとしながら、ゆっくりと巻き付いている指をほどいていった。
その時、ほどいていたルハンの人差し指が、私の指に絡まった。
起きてるのかと思って、「ルハン？」と横目で見るも、ルハンは目を瞑ったまま。
「起きてるの…？」
そう言いながら私の指に絡まったルハンの人差し指に、もう片方の手で触れた。
無意識なのかな…。
びっくりさせないでよ、もう。
私の指からルハンの指を離しながら、本当は起きてて離してくれなければいいのに、なんて思ったのは私だけの秘密。
寝ているルハンを起こさないようにそっと腕の中から出ると、
壁にもたれて寝ているルハンの体をそっと押してベッドに横にならせて掛け布団を掛けた。
ルハンの部屋を出ようと、ドアノブに手をかけた時、あることを思い出した。
そうだ、すっかり忘れていたけど、私ルハンに解き方教えに来たんだったっけ…。
ドアノブから手を離して、ルハンの机に置いたままだったプリントに視線を落とす。
案の定プリントは白紙のままで。
その時、ふと視界に入った、ルハンの筆箱の中に入っている付箋。
その付箋を手に取り、シャーペンで全ての問題のヒントを書いて、プリントに貼り付ける。
最後に、“ルハンのバーカ”と付箋に書いてルハンのおでこにくっ付けると、私はルハンの部屋を出た。
18−不器用な、自業自得バカ。→←16−眠り姫は、心くすぐる香り。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1794人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
