16−眠り姫は、心くすぐる香り。 ページ16
ルハン side
ベッドに座るようにして、床に座るAの髪を乾かしていたけど
コードの長さが微妙に足りなくて何度もぐんっと後ろに持っていかれるのがウザったくて
後ろに下がって背中を壁につけて、自分の脚の間をトントンと叩いた。
Aは驚いたように一度目を丸くしたけど、
俺が怒ってると勘違いしたのかおずおずと言われた場所に腰かけた。
Aはいつも、俺が怒っていると思うと素直に言う事を聞く。
今まで、一度だって俺はAに怒ったことなんてないのに…。
がしっとAの頭を掴んで無理矢理前を向かせると、またドライヤーのスイッチを入れた。
「ありがとね」
ドライヤーの騒音に紛れてかすかに聞こえたAの声に。
わっ、と心が温かくなった。
「ルハンさ、美容師さんみたいだね」
「何？気持ちいいの？」
そう言いながら少し体を傾けてAを見ると、本当に気持ちよさそうに目を閉じているA
「うん、気持ちいいよ〜」
珍しく素直なAの言葉に思わず笑みが零れた。
もうすぐ乾くな…なんて思いながらAの髪に手ぐしを通していると
段々Aの体が俺の方に凭れてくる。
驚いてドライヤーのスイッチを切る。
「A？」
返事もなく、次の瞬間には完全に俺に凭れるように寄り掛かって来たA
ドライヤーをベッドの隅に放り投げて、
乾かしたばかりのAの髪にそっと手ぐしを通すとシャンプーの柔らかい香りが広がった。
完全に壁とAに挟まれるような状況になってしまった。
Aの肩に顎を乗せると、Aの横顔が見える。
くるんと上がった長い睫毛、少しだけ弧を描いた唇が幸せそうに見えた。
ほっぺをツンツンとしてみても何の反応もない。
Aの寝顔を見るのは今日１日だけで２度目だ。
ほんっと、無防備なやつ…だけどそれだけ信頼されてるのかと思うと胸が締め付けられる。
後ろからAのお腹に手を回してぎゅっと抱きしめる。
抱きしめた体は凄く小さくて、俺が一番大切にしたい人、大好きな人。
「A、好きだよ。」
俺の想いを声に出せるのはAが寝てる時だけだなんて、残酷だな…
それでもたまに声に出したくなるんだ。
またAの夢に俺が出ていますように。
夢の中でもAの隣に居たいなんて欲張り過ぎるかな？
17−眩しい光の中でできた秘密。→←15−跳ねる心は、君の所為。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
