14−温かい風と触れる指先。 ページ14
ぼーっと手元のプリントを見ながらそんなことを考えていると、ブオーという機械的な音とともに、温かい風に包まれた。
驚いて振り返ると、ルハンはいつの間にか私の後ろにいて、私の髪の毛を乾かしている。
びっくりして「ルハン！」と叫べば、「何？」とルハンの声がドライヤーの音越しに聞こえてきた。
「ごめんね、私自分で乾かすよ」
そう言って私の髪の毛を乾かしているルハンを見上げると、ルハンが口を開けて何かを話した。
でもドライヤーの音にかき消されて、その声は私の耳に届かない。
「何？！聞こえない！」
と大きい声を出して後ろに座るルハンに顔を近付けると、ルハンが心底うざそうに顔をしかめてドライヤーのスイッチを切った。
「うるっさい！ってかそこだと微妙にコードが届かない！お前ちょっとこっち来い。」
そう言いながら、トントンとルハンが腰かけていたベッドの脚の間を叩かれて
イライラが表情に出ているルハンに逆らうと後が怖いから、今回は素直にそこに座った。
だけどこの状況が少し気恥ずかしくて
「もう！うるさいのはルハンっ…」なんて悪態をつこうと思ったのに
言い終わらないうちに、髪の毛に触れていたルハンの手が私の頭のてっぺんに置かれた。
しかしさっきと違うのは、ぽんっ、ではなくて、がしっ、だったということ。
ルハンは私の頭を手のひらで掴むようにすると、「前向いてて」と落ち着いた声で言い、私の頭をくるりと回した。
途端、見えなくなるルハンの顔。
またドライヤーの音が聞こえてきたと思ったら、頭のてっぺんにあったルハンの手は、すでに髪の毛に触れていた。
…もういいや。甘えちゃえ。
そう思って、「ありがとね」とだけ言う。
ルハンに聞こえたかとどうかわからないけど、二度も言うのはなんだか恥ずかしいから聞こえたことにしておこう。
私を包む温かい風に、髪の毛に優しく触れるルハンの手。
その感覚が心地よくて、「ルハンさ、美容師さんみたいだね」と言ったら、今度ははっきりと聞こえたのか「何？気持ちいいの？」と返ってきた。
「うん、気持ちいいよ〜」
ふわふわする意識の中、ふっと笑ってそう言うと、ルハンもふっと笑ったのがわかった。
15−跳ねる心は、君の所為。→←13−ふわっと香る同じ匂い。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
