1−響き渡るは名を呼ぶ声。 ページ1
「お疲れ様でしたー！」
今日も部室に響き渡るその声とともに、部活が終わった。
「A先輩、お疲れ様でしたー！」と額から汗を流した後輩たちの挨拶に「気を付けてねー！」と返しながら、私も帰ろうと鞄を手に取ると、鞄に付けているキーホルダーがゆらゆらと揺れた。
部室に残っているのは、マネージャーの私だけ。
電気を消して鍵を閉めたと同時に、廊下からパタパタと足音が聞こえてきた。
…きっとこれは、ジョンインの足音だ。
「A！鍵閉めるの待って！忘れ物！」
…ほらね？
ジョンインは私が閉めようとしていた部室のドアを開けると、スポーツタオルを右手に出てきた。
そんなジョンインは練習着のままで左手にはペットボトルの水も持っているから、きっと更衣室に向かう途中で忘れ物に気付いたんだろう。
走ってきたんだろうけど、息切れをしていないあたり流石ダンス部の部長だと思う。
「ジョンイン最近忘れ物しすぎだよ。絶対わざとでしょ」
「ばーか。わざと忘れ物するやつとか普通いないだろ」
ガチャリと鍵の閉める音が聞こえた。
ジョンインを見ると、私を見て目尻を細めて笑っている。
それはまるで、いたずらっ子のような表情で。
…間違いない。絶対わざとだ。
キッと睨み付けると、「はいはい、お疲れ様でした」と頭に手をのせるジョンイン。
そのまま私の髪の毛をくしゃっとするから、さっと左手ではらって「お疲れ様」と言う。
するとジョンインはまた笑いながら、更衣室へ戻っていった。
職員室に鍵を返しに行き校舎の外へ出ると、暖かい風が頬を掠めた。
さらさらと髪が遊ばれているかのように靡いて、視界に映る。
グラウンドを横切って帰ろうと歩きながら、グラウンドで練習しているサッカー部や野球部が目に入る。
とその時、「Aー！」という大きな声が聞こえてきた。
私がその声のした方に視線を向けるのと同じタイミングで、グラウンドや外にいた人たちの視線が私に向けられる。
初めは一度に大勢の視線を浴びて動揺していたけど、もう毎日のことだから３年生になった今は慣れたような気もする。
「ルハン部活中でしょー！」
「俺もうすぐ部活終わるから待ってろ！」
私の言葉を無視しながらも、自分の言いたいことはしっかり言う。
そして言いたいことを言ったら部活に戻る。
１年生の時から、いつも家まで送ってくれる。
それがあそこでサッカーボールを手に後輩に指示を出している彼、ルハンだ。
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ちゅちゅ - こりゃやべぇ (2014年8月16日 18時) (
レス) id: 9899225133 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - MINMINさん» 毎日1話だけの更新で、どれくらい読者様に楽しんでいただけるのか。それを課題に、キュンキュンしてもらいたい気持ちで書いてました。MINMINさんのコメントを読むとじっくりと読んでくれていることが伝わってきて、本当に励みになりました！ありがとうございました！ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
alim(プロフ) - 慧さん» コメントありがとうございます！たくさんキュンキュンしてほしいなぁと思いながら書いてる作品なので、そう言ってもらえて嬉しいです♪ (2014年7月3日 11時) (レス) id: 5fc8305436 (このIDを非表示/違反報告)
MINMIN - 更新ありがとうございます!!私の中でこのお話はﾎﾝﾄにｵｱｼｽで､忙しい日も忙しくない日も同じﾃﾝｼｮﾝにしてくれて､優しく懐かしい気持ちにしてくれて､また次の日の更新が楽しみになる､そんなお話です｡毎日毎日､続きを楽しみにしています (2014年7月2日 16時) (携帯から) (レス) id: b5090dbdaa (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - きゅんきゅんしてますよぉ。 (2014年7月2日 0時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：alim/セン
x他1人 | 作成日時：2014年5月23日 18時
