両想いという名の片想い (ページ4)

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・4話ページ4

あれから何度かチャンスを見計らってはいるのだけど、なかなかタイミングが合わなくてもう昼放課。
いい加減渡さないとまずい。
これまでの苦労が水の泡だ。

二宮のために、二宮好みの女の子になろうと頑張ってきた。
二宮の好きなタイプを調べて、髪の毛を巻いてみたり、日焼けにいつも以上に気を使ったり。
いろんな事をしてきたけどいまだ振り向いてもらえず。

もしかしたら眼中にもないのかもしれないけど……

それでもめげずに頑張ってきたの。
そんな簡単に諦められない。
放課後、そう放課後までには絶対に渡す！
それでちゃんと好きだって言うの！

「よし！」

「何してんの翔ちゃん」

「わっ」

後ろから肩をポンポンと叩かれて、ハッとする。
自分の世界に入ってたから気づかなかった。
恐る恐る振り返れば

「さ、智くん、驚かさないでよ」

智くんとはひとつ上の先輩。
大野智っていうんだけど、出会いは私がたまたま美術室に用があって行った時に智くんの描いた絵をみて一目惚れしたの。

それから智くんとたまに話すようになって、家が近いってことも知って今ではまーちゃんと3人で一緒に帰ったりもしてるくらい仲が良いの。