両想いという名の片想い (ページ15)

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・15話ページ15

あ、ここ。
昨日二宮があの綺麗な人にチョコ貰ってたとこだ。

思い出したくないことは覚えてるなんて、神様はひどいよね。
忘れたいのに忘れられないんだもん。

あのさ、と言いにくそうに二宮が話し出した。

「昨日は、本当にごめんなさい。あれ市販じゃないよね？見てすぐ分かった。櫻井が愛情込めて誰かのために作ったものでしょ？それを、俺……」

無意識に俯いていた顔をあげれば、本当に悲しそうに、申し訳なさそうに話す二宮。
なんだかこっちが悪い事したみたいで慌てて否定する。

「ち、違うよ！二宮は悪くないの。私が、あんな所に立ってたのが悪いの。……確かにあれは自分で作ったものだけど、」

そう言えば、バッと顔を上げてまたごめんと俯く二宮が、なんだか愛おしく想えて思わず微笑めば二宮は頭の上にハテナを浮かべた。
すごく間抜けな顔をしていて、それがまた可笑しくって笑ってたら、ぶぅと不機嫌そうに頬を膨らませる。
慌てて、ごめんねと謝ればこくんと頷く。

……可愛いな

もう言ってしまおうかな、あなたが、二宮のことが好きだと

「あ、あのチョコはね、本当はにの」

「おいやべぇって早くしろよ、購買売り切れんぞ！」

途端二、三人の男子が階段を駆け下りて行った。
それと同時に私の勇気も駆け下りて行った。

このタイミングで来るの！？本当にタイミング悪い！やっと決心したのに、

「え、なに？」

「う、ううん。なんでもない……」

教室戻ろっか、と足を踏み出したのになにかに引っ張られる感覚。