第46話 ページ47
…
俺はパーティーの煌びやかな雰囲気の中で
2年前のあの日を思い出していた
(……あ、ちゃんと仕事はしてるよ)
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
これは、俺が大学時代に使っていたペンネームである
在学していたのがアメリカの大学と云う事もあり
日本人である俺の名前はとにかく悪目立ちしていた
好奇心たっぷりで話し掛けてくる奴に
わざとらしく突っかかってくる留年生
いくら精神年齢がおじさんな俺でも
これには耐え切れなかった
まじでストレス倍増貯蓄機
だからと言ってはなんだが
提出する小論文やら論文には
外国人っぽい名前を使わせて貰っていたのだ
ここまで来れば、察しの良い方なら分かるだろう
羔野の“羔”
これは【子羊】と云う意味を持っている
だから英語に訳すと
それで“野”は
野原と云う意味から取って
その2つを合体させて
安直過ぎるって？
仕方ないだろう
俺にはネーミングセンスが皆無なんだから
まあ、意外にも漢字に理解があったアレックスに
直ぐバレてしまった事は、計算外だったと言っておこう
それで、何故ヒロキ君がその名前を知っていたのか
気になっているという人は居ないだろうか
良く思い出してみて欲しい
俺が大学時代に書いた論文の内容を
そう
人工知能についてである
そしてそして
俺の通っていた大学の名前は
【マサチューセッツ工科大学】
＿＿つまりヒロキ君が在学している大学である
いやァ、俺の名前を出した時の
ヒロキ君の驚いた顔が懐かしい
なんでも俺が書いた論文を読んで
スランプを乗り越えるヒントを得たらしい
うんうん
ちょっとだけ未来人だからね
完成した人工知能が社会に溢れ返ってる所も知ってるよ
んー？
おいそこー、ズルいって言うなァー
コナン世界の人間辞めてる'sの方がズルいだろーう
…
……あ、俺も人間辞めてたんだった
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作者名：＿名前を変える必要がある | 作成日時：2019年6月23日 16時
