【名探偵コナン】有能過ぎる転生執事【男主】 (ページ23)

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第22話ページ23

Noside

少年＿＿江戸川コナンは悩んでいた

あの男に声を掛けるべきか、否かと、

コナンは決して人付き合いが苦手な訳では無い

むしろその逆である

社会性もしっかりと身に付けていたし、ガタイのいい大人にも怖気づかない

しかし、今回ばかりはその能力も役に立たないのであった

はらり、と柔らかな音をたてて紙が捲られる

男が読んでいるのはこれまた難しそうな洋書だった

英語圏に住んでいる人でも理解し難そうな内容だと云うのに

単語をなぞる目は、驚く程にすらすらと進む

それだけで教養のある人間だと云う事がハッキリするが

先程までの洗練されたテーブルマナーを見た者としては

そんなものは付加でしか無かった

でもまあ、今回コナンの警戒心を最大限に引き上げているのは

男の頭脳や育ちではなく、服装なのである

黒のシャツに黒のズボン

オマケに黒のスニーカーまで付いた、もういっそ清々しい程の黒のフル装備

その容姿も相まって、男は周りから浮きまくっている

＿＿それも“良い意味で”だ

ここまでの文面上だと、とんでもなくヤバいやつだとしか思えないが

接客する店員には怯えた様子など微塵も見受けられない

むしろ、好意的なのである

ひとえに黒いシャツと言っても、ダボッとした“着こなす”タイプのものであるし

ズボンもそれとは真反対のスキニーで対比の程度が丁度いい

裾を捲っている分、足首が見えて暑苦しく感じさせる事も無い

……つまり、只々センスの塊でしか無いのだ

恐らく、周りの人間に男はモデルか何かにしか見えていないのだろう

ただ一人＿＿

＿＿＿コナンを除いては、

…