【名探偵コナン】有能過ぎる転生執事【男主】 (ページ20)

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第19話ページ20

…

相変わらずのアルカイックスマイルを浮かべ

キッチンから帰って来た羔野

時間にしておよそ1分

手にはお盆を持っているようだが

もう出来上がったのだろうか

「待たせてしまい、申し訳ありません」

そんな事は無い

準備も何も無い状態からならば3分はかかるだろうし

私もそれを待つつもりで居たのに

白手袋の上からでも分かる細長い指でグラスが置かれる

コト、と趣さえ感じさせる様な音が響いた

そしてそこに、当たり前の様に続くお茶菓子

嗚呼

何故、

何故なのかしら、これは＿＿

『……羔野、どういう事かしら』

ゆっくりと、言葉を紡ぐ

心臓の鼓動が早まったのを感じた

その原因は驚きと少しの喜びによる高揚感だろうか

「此方、当日のものと同じ様に用意させて頂きました」

静かに告げられた“私の思惑を分かっていた”と云う事を暗示する言葉に

プライドがぐちゃぐちゃに掻き混ぜられる

……だが、そこに嬉しさが混ざっているのも事実

まるでイタズラが見つかった子供の様な罪悪感と羞恥心に

思わず溜息を吐いた

『その様子じゃ、今回の夫人方のことも？』

「ええ、日本文化に興味をお持ちだと伺いました」

淡々とした受け答え

しかし羔野はその中にある核心をしっかりと汲み取っていた

驚きと同時に呆れさえ感じた

こんな芸当が出来る彼に、テストなんてものは必要無かったのかも知れない

否、私がそういうテストを仕掛けると予想した上で

彼はここに立っているのかもしれない

先程のお茶をいれる時間の短さも、予め準備しておいたからで＿＿

…